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サム・ホーソーンの事件簿 II/Diagnosis:Impossible 2 More Problems of Dr. Sam Hawthorne  (ねこ3.7匹)

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エドワード・D・ホック著。創元推理文庫

1927年。サム・ホーソーンが、ノースモントに診療所を構えて五年の歳月が過ぎた。時代の移り変わる気配はあるものの、続発する不可能犯罪と、彼の名探偵ぶりは変わらなかった!ギャングに拉致されたサム・ホーソーンが人間消失の謎に挑む「ギャングスターの車の謎」など、12編を収録。そして、今回の特別付録はエドガー賞を受賞した「長方形の部屋」。本格ファン必携の第二弾。 (裏表紙引用)


すべ猫開設前に「I」を読んで以来、久々のサム・ホーソーンもの。もたもたしている間にあねきは「IV」まで進んじゃってるし、文庫本も「V」まで出ちゃってる。お盆休み中にあと1冊は進みたいところ。

そうは言っても、あまり読んでいて久々という感じはしない。安定した面白さというのか、変わらない本格スタイルの安心感というのか、サム先生は相変わらず御神酒を飲んで不可能犯罪の思い出話を語り続ける。一体話し相手は誰なのか、何歳のサム先生の口から語られているのか。「次号に続く」みたいな定番の幕の引き方がたまらなく好きだ。
事件は常に時系列の通りに収録されていて、そこも魅力のひとつ。若かったサム先生にもロマンスがあった事を知ったのも収穫だし、レンズ保安官に春が訪れた事も喜ばしい。(しかしサム先生って恋愛となると不器用なのね^^)時代を感じさせる背景のそれぞれもこのシリーズの特徴と言っていいでしょう。

毎度おなじみの、シリーズ外特別収録作品がラストに収録されている。
「こういうのって本当に名作なのか」(あねき語る)という名言がリアルに実感出来る作品であった。。。死体を前に一日側にいたルームメイトの謎、その舞台設定は確かに面白味はあるが、この真相はいったいぜんたいどういうこっちゃ。

                             (419P/読書所要時間5:00)