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大あたり殺人事件/The Right Murder  (ねこ3.7匹)

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クレイグ・ライス著。ハヤカワ文庫。

『大はずれ殺人事件』で見当違いの殺人を探り当ててしまったジェークとヘレンは、新婚旅行でバーミュダへ。一方、残されたマローンは大晦日だというのに、酒場で独りグラスを重ねるだけ……そんなときドアを開けて入ってきた一人の男は、マローンの名をつぶやくと床にくずおれ息絶えてしまった。果たしてこれこそが、社交界の花形モーナが予告した殺人なのか?洒落た笑いを誘うユーモア本格ミステリの傑作。改訳決定版。(裏表紙引用)


前回読んだ『大はずれ殺人事件』の続編~。って、あの事件とあの賭けまだ終わってなかったのか!!(笑^^;)モーナの出題であった「私が衆人監視の中、公道で人を殺してみせる。」はまだ有効なのね~。今回こそはマローン、ジェーク、ヘレンで事件を解決しカジノをいただいちゃうぞ、という意気込みの見えるお話。ですが、初っ端からマローンがこの世の終わりみたいに落ち込んでいるー(笑)。
その理由が、大親友のジャスタス夫妻が居ないから、という。なんとも可愛い奴じゃないですか。しかしすぐにジェークとヘレンは大喧嘩して離婚だなんだのの騒ぎで帰って来るんですけどね(笑)。

今回はちゃんと「マローン自身の事件」という感じがしますね。得するのはジェークとは言え(笑)。
新キャラが今作ではかなり立っていて面白いです。「はじめて撮る」が大好きのカメラマン、「はい」「いいえ」しか言わない無口すぎる女性などなど。すっかりゆきあやお気に入りとなったフォン・フラナガン警部も面白さが爆発しています。くるみ栽培じゃなくて新聞社経営に夢が変わっている(笑)コミカルさにさらに輪がかかって、楽しい読み物となっております。

ミステリ的には今までより凄いとは思わないのですが(それどころかかなり無理がある^^;)、色々なネタや真相を仕込んでいて楽しめるのでは。ようやく自分もライス作品に対してノって来ました。が、文庫ほとんど全部絶版じゃないの^^;ぶくおふでいつでも見つかる作家さんでもないしなあ、この人もぼちぼちになるなあ。

                             (312P/読書所要時間3:30)