すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

レイトン・コートの謎/The Layton Court Mystery  (ねこ3.9匹)

イメージ 1

アントニイ・バークリー著。国書刊行会。世界探偵小説全集36。

ある夏の日の朝、レイトン・コートの主人スタンワース氏の額を撃ち抜かれた死体が、書斎で発見された。現場は密室状況にあり、遺書も発見されたことから、警察の見解は自殺に傾いていたが、不可解な死体の状態や滞在客の不審な行動を目にとめた作家のロジャー・シェリンガムは、自殺説に疑問を感じ、素人探偵の名乗りをあげる。友人アレックをワトスン役に指名し、自信満々で調査に取りかかったロジャーだが…。当初“?”名義で発表され、たちまち人気を博した英国探偵小説黄金期の巨匠アントニイ・バークリーの輝かしい出発点。 (あらすじ引用)


すっかりハマリつつあるアントニイ・バークリー3冊目^^
最初は「?」という名義だったらしいですね(笑)。そして次の作品が、「レイトン・コートの著者」っていう名義だったんだって(笑)。
「第二の銃声」が貸し出し中だったから適当にこれ選んだのだけど、これが記念すべきデビュー作なのですね^^ ”ふざけた探偵”ロジャー・シェリンガムがほとんど全てのページに出演していて、生き生きしまくっています^^;友人のアレックを助手に据えて、自分はシャーロック、アレックはワトスンなんて呼び合ってますよ。「毒入りチョコレート事件」を読んでいた頃は、まさかこんなにシェリンガムが主役らしく目立っているキャラクターだとは思いもしていませんでした。

いやあ、もう、とにかく面白い!
今回、変わった趣向というバークリーの作風は抑えめなのだけど、出版当時は斬新だったみたいです。ホームズを完全として見ていないやり方をシェリンガムにさせてますから。自分から見れば、そこはホームズの方が鋭い指摘をする、とかホームズの方が推理の演出の方が成っている、とか思う要素も少しあったんですけどね。推理間違いまくるし。しかし、これが魅力となっているのですから不思議なもんです^^前半は、結構普通の本格ミステリかな?と思っていたのですが。。。
これがまた。。。
シェリンガムが御得意のブラフで突き止めかけた、”プリンス”の顛末が。。。
読んでびっくり。

わはは、わは;;;わはわは^^;;わははははは~~~~^^;;;;;ひぃぃわはわは;;;
わは~~~~~わはわは~~~~~;;;;;;

こんなに面白い探偵って今まで見た事ないぞ^^;;かなりの衝撃です。ぜひ皆さんあのページを読んで椅子から転げ落ちて下さい^^;;わはははわはわは;;;

・・・え、えへん、というわけで。それ以降もなかなか盛り上がりまして、意外な真相へ。作風はホワイダニットなので、そのあたりに注目して読んでいただければなかなか。自殺なのか、殺人なのか?の
謎も含め、自分はかなり真相に驚きました。後から思えば伏線も易しいので、たいていのミステリ読みには見抜けるものかもしれません。
ただ、一つだけ、図解がないからわからなかったトリックが^^;仕掛けの肝はそこではないのでいいんだけど、ちょいもやもや。あと、足跡の一件はちょっとどんくさい気がします^^;素人探偵の欠点だよね、こういうとこ。あとあと、花瓶が二つないとおかしい、という発想(※ネタバレではない)が
お国柄なのか時代なのか、全然意味がわかりませんでした。(こういうところです、ホームズとの違い。いや、シェリンガム気に入ってるからいいんだけど)

さあ、もう1冊借りてあるので読むぞ^^今年一番の収穫かも、この作家さん(るん♪)。

                             (314P/読書所要時間3:30)