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大年神が彷徨う島  (ねこ3.5匹)

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藤木稟著。徳間文庫。

二十年に一度の祭りの生神役として「鬼界ガ島」を訪れた律子を待ち受けていた奇怪な呪文。不思議な儀式と風習の中、神罰を受けたという謎の死体が―。南の孤島を血花に染める連続殺人事件。名探偵・朱雀十五が秘められた異界の扉を開く。(裏表紙引用)


探偵朱雀十五シリーズ第4弾~。
普通に面白いミステリなのだけど、なんというか微妙。雰囲気が中途半端(ネタはいいのに)。横溝正史風に”一族の怨恨”を扱うのならば、家系図くらい載せておいて欲しかったなあ。登場人物紹介が申し訳程度に載ってはいるけれど、朱雀とか律子ちゃんとか柏木君(しかも今回柏木のかの字も出て来なかった!!好きなのに!)とかだし。そのへんなら知ってるよ。。。
文章が平易すぎるので、一人一人のキャラクターの背景が印象薄いし。その分、”いびり朱雀”が復活している。。ほんとに不愉快な主人公だよねこのシト^^;そして律子ちゃん。「その扉は絶対に開けたらいかんぜよ」と言われた三秒後にこっそり開けてるし^^;さらに兄と妹の重大な打ち明け話を立ち聞きして、がらりと襖を開けて「悪いけど私も聞いてしまったわ!」もないもんだ(笑)。そこで他人が出て行ったら口が重くなるから最後まで話を聞いてからにしましょうね^^;

不可解な死のそれぞれの真相は、ミステリ漫画で読んだ覚えのあるものが重なっていたし、どいつもこいつも「その正体は実は」じゃ安易な気もする。
いや、まあ、面白かったんだけど、初期の重厚さがなくなってしまってるなあ、と。

さて、文庫はここまで。
本書の発行日を見てももう続編以降文庫にする気はないんじゃなかろうか^^;と言っても続刊以降のノベルスですら絶版だし。。どないせえと?^^;(ぶくおふぶくおふ)

                             (487P/読書所要時間4:00)