すべてが猫になる

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未来世界から来た男/Nightmares and Geezenstacks  (ねこ3.9匹)

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フレドリック・ブラウン著。創元SF文庫。

悪魔から魔法のパンツをもらった好色漢。不死身の大統領の秘密。超光速で空間を渡った宇宙船隊の行方。火星人の手から地球を救ったロバの話。タイム・マシンで大儲けを企んだ男の運命。20世紀の三大発明とは……。奇抜な着想と見事な語り口で万人を魅了してやまぬ、SFショートショートの名手ブラウンの傑作集。趣向を凝らした戦慄と幻想の世界があなたの目の前に展開します!(裏表紙引用)


ねこりんさんお薦めのショートショート。このたびめでたく復刊ということで、容易に入手出来ましたが、新訳とかそういう事ではないのですね?字が小さいままでちょっと残念。フレドリック・ブラウンは3冊くらい読んでいるのですが、この短編集が一番自分向きだったかな。ショートショートが好きというより星新一さんラブのおいらなので、作風や語り口がそっくりで嬉しかったです^^

こちらは第一部の『SFの巻』第二部の『悪夢の巻』に分かれておりまして、計43編の作品が収録されております。基本的にショートショート(3~5ページ)が多いのですが、1ページの掌編や数十ページの短編も混ざっております。作品ごとにゆる~い口絵も入っていて楽しいですな。
どちらが好き、って感じではなかったですね。それぞれSFにも悪夢にも好きな作品が同じくらい入っていて。2度読んでもオチの意味がわからない作品も2作ほどあったのですが。。(『忠臣』『魔法の指輪』。わかる方、教えて下さい^^;)

特に好みだったもの。
~SFの巻より~
『二十世紀発明奇譚 1 忍びの術』発明家の滑稽なお話って大好き。中でもこれは着眼点が凄い。
『こだまガ丘』これも同じく。結局欲望を持つ事ってなんなんでしょうね。
『第二のチャンス』おかしな未来=風刺。
『遠征隊』・・計算おかしいだろ(笑)
接触』いつでも異星人の勝ちだと思ったら大間違いだぜ(笑)
『身代わり』これは気付かなかった^^;
『おしまい』読みにくい(笑)
~悪夢の巻より~
『青色の悪夢』一番強烈だった。後悔、憎悪、これからのこの夫婦の未来が恐ろしいです。
『黄色の悪夢』このあとどうするねん(笑)
『死信』こりゃ、ミステリですな。クイン議員、グッジョブ^^;;
『毒薬』もの凄いメッセージが入ってますよ。。人を呪わば。。
『熊の可能性』こりゃ半々でしょ(笑)

などなど。基本的に、お話の面白さだけでなくてオチにキレのあるものが好みだというのがわかります。やられた!とかゾワー!とかなるほど!とか、なんでもいいんですけどね。
なかなかレベルの高い、楽しめる作品集ではないでしょうか^^

                             (259P/読書所要時間3:30)