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厭な小説  (ねこ3.8匹)

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京極夏彦著。祥伝社

「厭だ。厭だ。厭だ―」感情的パワハラを繰り返す馬鹿な上司に対する同期深谷の、呪詛のような繰り言にうんざりして帰宅した私を、マイホームの玄関で見知らぬ子供が迎えた。山羊のような瞳。左右に離れた眼。見るからに不気味だ。なぜこんな子が、夫婦二人きりの家に?妻はその子の存在を否定した。幻覚か?怪訝に思う私。だが、これが底なしの悪夢の始まりだった…(「厭な子供」より)。「恐怖」と「異なるもの」を描き続ける鬼才が繰り出した「不快」のオンパレード。悪寒、嫌悪、拒絶…あらゆる不愉快、詰め込んだ日本一のどんびきエンターテインメント。 (あらすじ引用)


べるさんとこの記事を読んで、猛烈に欲しくなって入手した本。装丁の気持ち悪さは絶品だし、帯の紹介文もインパクトがきつい。『どんびきエンターテインメント』!!『知りませんからね、読んで後悔しても』!!『”ゲラを読んでいて、重~い気分になっちゃいました”って作者が語っていいのか!?』
『一読、後悔必至の怪作』とか^^;;;;中の紙も、新聞紙みたいというのかザラザラしててちょっと紙質も良くない感じ。さらにカバーを取るとますます厭な雰囲気出てます^^;

で、では、勇気を出していってみます!(おーv)

『厭な子供』
なんというか、主人公と深谷の会社での会話も厭だし、奥さんの性格もなんか厭な感じなのよ。。我慢してる主人公の内面もまた厭な感じなのよ。。ここまでは誰でも心当たりがあるかもしれないレベルの厭な事なんだけど、”厭な子供”が登場してから悲惨。。いや、厭な小説だってのは聞いていたよ。でも、まさか、ここまでとは思わないじゃない(><。)鳥肌立っちゃったよ。。一生分の嫌悪感全部身体から出て行った気がする。。。なむあみなむあみ。。

『厭な老人』
ぎょ!ぎょぎょ!!ぎょぎょぎょ~~~~~!!!(ノ><)ノ
こ・この老人は・・・!!!
この変○老人は一体・・・・!!!!
ぐえ~~~~~~ぎえ~~~~~~うわ~~~~~ひえええ~~~~~(感想おわり)
京極さんがここまで描くとはね。。。(ぼそっ)

『厭な扉』
これはまだ読める(;^^A。。
無限のループというのは今に知ったオチじゃないし。
まあ、『老人』といいこの作品といい、ミステリ的な展開が入っていて良いかも。

『厭な先祖』
ぐえ~~~~~~ひえ~~~~ふんぎゃ~~~~~(ノ><)ノ
仏壇を預かってくれ、ってどんな後輩やねん^^;;しかも預かるなよ主人公(笑)
いやはや、臭いの描写もえげつないのだけど、仏壇の中身?これ一体なによ^^;;;文章で説明しないでよこんなの^^;;;
アレがアレしたせいで扉が開いたって^^;;;下ネタかよ^^;ははははは。。。(力なき笑い)

『厭な彼女』
やめろ~~~~~~~~~~~~
やめるんだ~~~~~~~~~~~(><)
ぐ、グリーンピースゆきあやも大嫌いなのよぅ~~~~~いい大人なんだけど、アレだけは無理なんだよぅ~~~~
おいらこんな事されたら、自制出来る自信ないかもしれない。。。。
なんか、ホラーとかでよくある虫とかそういうのを食べさせられる、っていうネタよりよっぽどこの方が殺意が湧くかもしれない^^;;その点うまいよね京極さん。。身近な『厭』を扱いたかったっていう。しかし、水槽いっぱいのアレはないわ。。。。へこむわ。。。。

『厭な家』
身近な『厭』を扱ってるという事で、今作のテーマは「タンスの角に足の指をぶつける」というループを(笑)。『彼女』が酷過ぎたので、まだまともな感じがした(;^^A。。このオチは手前でわかったけど、悲惨極まるよね^^;;

『厭な小説』
おっと、ここで連作らしくすべてが繋がりました。
しかし深谷の上司、亀井また出て来るなよ^^;;ここまで厭なおっさんって現実にいるのかなあ。。パワハラってよく聞くけど、本人に弱さもあると思ってた。。でも、こんな奴が上司だったらおいらも給湯室とかで吐くかもね^^;;イライライラ。。。


以上。ふぅ。。。。
ホラーって感じでもないのよ。エンターテインメントにこだわって、読者の共感を求めてらっしゃる感じがする。内容云々じゃなくて上質な作品ではないけど(故意かもね)、ネタとして読むにはいいかも。面白いよ。
                             (458P/読書所要時間3:00)