すべてが猫になる

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黒衣の女/The Woman in Black  (ねこ3.7匹)

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スーザン・ヒル著。ハヤカワ文庫。

霧の中、沼地の方から馬車が来る。少し遠ざかったかと思うと、水が引き、吸いこまれ、渦まく奇妙な音、続いてうろたえた馬のいななき、そして子どもの泣きさけぶ声。―孤立した〈うなぎ沼の館〉で、亡くなった老夫人の遺産整理をしていた弁護士キップスを襲った真夜中の怪奇!そして夫人の葬儀に現われた不気味な黒衣の女の正体とは?過去を秘めた辺地の館にじわじわとしのび寄る恐怖を、イギリス沼沢地方独特の雰囲気をバックに描きあげる正統派ホラーの真髄! (裏表紙引用)


怖すぎるんですけど・・・・・・(T_T)。。。
記事書いたら黒衣の女に呪われるんじゃないかとびくびくしております。いやあ、エゲレスのホラー、半端じゃありませんでした。静かに静かに物音もなくめっちゃ怖いです。。

冒頭は、多くの子供に恵まれた主人公の<私>が、クリスマスに子供に怖い話をせがまれるシーンから始まります。よくある家族の団らんという感じなのですが、このお父さん、過去に何やら話すのも恐ろしい体験をしているようなんですねー。あまりにも怖すぎるという理由から、結局そのお話をしないまま部屋を出てゆくのです。
結局は意を決してその恐怖の体験を書き記し始めるのですが。。

主人公が、仕事で訪ねたクライシン・ギフォードという町で目撃した”黒衣の女”。その描写からしてなんというか、明らかに生きてないだろ!と思える迫力なのです。衰弱しきって骨の上に薄い皮が張りつけられたような皮膚とか目も顔の奥へ落ち込んだように見えるとか^^;:主人公がその女の正体を探り始めたのが地獄の始まり。なんだかんだと纏まるところへ纏まったように見せかけて、酷い悪夢が待ち受けているとわ・・・(T_T)。。あまりにも傷付いてしまったゆきあやさん、呆然としながら終章を2度読みしてしまいました。トラウマをありがとう。。。


いやはや、伝統的正統派ホラーの風格おそるべし。しばらくホラーはご休憩にします。

                             (215P/読書所要時間2:00)