すべてが猫になる

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雪下に咲いた日輪と  (ねこ3.7匹)

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高里椎奈著。講談社文庫。

断崖絶壁に建つ曰くつきの洋館。少女・砂波の父が購入するという。あまりにも怪しげなため、探りに行った彼女を待っていたのは甲高い悲鳴と、長い髪を振り乱し海を歩く者。いったいこれは?依頼を受けた美形の妖探偵達が調査に出向いた先で、陰惨な殺人事件が起きてしまうのだった。大人気シリーズ第12作。 (裏表紙引用)


『薬屋探偵妖綺談』シリーズ第12弾~。

もうあと1作ですか・・・。13作目のあらすじ見たんですが、大変面白そうですね~。リベザル誘拐とか秋の過去が明らかに、とか^^
さておき、本書です。いやあ、ある時期からハズさなくなって来ましたねえ^^キャラクター先行のシリーズですが、今どきこの系統でほんとにきちんと本格ミステリーをやっているのがいい。死者が多く、トリックも大袈裟で、お約束通り外界との連絡は遮断、渡れない橋、鍵の開けられない扉等々、おいしいところてんこもりです。見取り図つき^^v普通にミステリ好きに好まれそうなレベルなんですが、記事も第12弾まで来てまだどなたもノって来てくれません(泣)。あねきもまだ記事出ないし。まさかまだ買ってもいないなんてことは!?そんなはずはありません。だって、今回はあの高遠刑事ファミリーが総出演、彼も主役級の活躍を魅せる作品なのですから。今回、表紙にも初登場じゃないですか?(たぶん、上の方の憂いを秘めたおじさんは高遠さんだと思われ)

とは云えど、やはりキャラクターものであることは間違いないので、そこを語らないとね。
一応、単体でも読める作品ではありますが、事件と関係のない人間関係の絡みや伏線も出ているので読んでいた方が楽しめる要素は多いです。今回座木の出演がオープニングのみとなっておりますが、一度出ただけで忘れられない程のインパクトを放っていますので必見。本作で注目すべきは、秋と高遠刑事とのコミカルでひねくれたやりとり。秋が名言吐きまくりで萌え萌え。リベザルの存在の大切さが、新キャラの砂波や高遠とのちょっとした触れ合いで生きておりますね。このシリーズを読んで、イヤな気持ちで本を閉じた事がない。そういう意味でも、素敵だと思います。

                             (496P/読書所要時間5:30)