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耳すます部屋 (ねこ3.9匹)

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講談社文庫。

10作品収録のホラー短編集です。

折原さんは、ホラー、短編の名手かもしれません。すべての作品が素晴らしい、というわけではありませんが。叙述ミステリーに飽きてきた方でも、短編となればまた違った面白さを確認できるのではないかしら。

基本的に、少年犯罪を扱った作品が多いですね。あと、現実にあった事件(幼女誘拐、パチンコ中放置死など、、)をモチーフにしているものが多々あります。

個人的には、「真夏の誘拐者」「眠れない夜のために」が良かったです。
前者は、真相が意外でした。
後者は、設定が奇抜で読んでるだけでドキドキします。雑誌の「悩み相談室」に寄せられる手紙ー。
マンションでの苦情を両者の立場から扱ったものなのですが、相談者に何人かの読者がアドバイスの手紙を送り、相談者とやり取りをします。かなり怖いです。
折原氏は「異常」な人間、を書く力が卓越していますね。

ほぼホラーとミステリの融合作品ですが、純粋なホラー作品も数点あります。子供にスポットを当てているのでちょっと笑えてしまったりするのですが、これはこれで息抜き感覚で楽しめます。

ただねえ、この作家の作品はどうしても、、、作品中盤でパターンがわかってくるので飽きてくるのが難点でしょうか。。。。