すべてが猫になる

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ボーン・コレクター/The Bone Collector (ねこ4.2匹)

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ジェフリー・ディーヴァー著。文春文庫。

ケネディ国際空港からタクシーに乗った出張帰りの男女らが忽然と消えた。やがて生き埋めにされた男が発見されたが、地面に突き出た薬指の肉はすっかり削ぎ落とされ、女物の指輪が光っていた……女はどこに!?NY市警は科学捜査専門家リンカーン・ライムに協力を要請する。彼は四肢麻痺でベッドから一歩も動けないのだが……!?(裏表紙引用)


ぎゃー!!(ノ><)ノ
昔数ページだけ読んですっかり放置していたジェフリー・ディーヴァーなのですが……読んどきゃ良かったよ~^^;さすが超有名作家、売れるには売れるだけの面白さが絶対備わっているのですねえ。
リンカーン・ライムが捜査中の事故で四肢麻痺となっているという設定には当初相当びっくりしたのですが、やっぱり想像以上に彼の境遇やその心の内はキツかった。我が身を悲観し、ずっと死を考えそれを実行出来るまでの計画を立てているなんて。。。ダメだよライム!!と思いながらも、健常者の自分に果たしてそれを止める権利があるだろうか?なんて事は当然ここにいるキャラクターも、ライムを応援する読者も考えてしまいますよね。そこで、彼のパートナーとなるアメリア・サックスの存在はかなり重要です。彼女の「現場を汚さない」というポリシーに共鳴し、さらにライムに対して堂々と口ごたえをし対等な人間として接するサックスに彼が惹かれるのも当然だと思います。でも、色々、ほんとに色々あったんですよこの二人。。。(涙)自分はもう事件そっちのけで彼らの関係から目が離せませんでした。介護士のトムも母親みたいで良かったし、取り巻く刑事達も彼に忠実で好感度は高いです。

事件の真相や展開自体は斬新であるとか驚愕であるとか、そういう賛辞からは遠いところにありますが、注目すべきはやはり第四部で繰り広げられるライムとある人物との生死を分けた闘いです。ええっ、こんな展開ってあり!?しかも、この後に当然発生すると思われる問題がスルーされている。。
どうにかなったのかな。としか言えませんが^^;
科学捜査ものが苦手なおいらは飛ばしたい記述とか専門用語もいっぱいありましたねえ。。
サイコミステリ-なので、殺人の方法や死体の描写などは「ソウ」なみにグロいです。”被害者が死んでいることを祈る”という台詞が印象的に残りますね。他にも、「走ってさえいれば振り切れる」「死者を諦めろ」などといった、一度聞いたら忘れられない台詞が随所に散りばめられていて、それがこの物語のテーマを象徴しているように胸に刻みつけられました。

このシリーズ絶対読み続けるぞぅ。