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ユルユルカ  (ねこ3.7匹)

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高里椎奈著。講談社文庫。

人と妖は一緒に暮らすことができるのだろうか。子供が交通事故で入院した夜、刑事に一本の電話があった。病院が血に塗られているという第一話ーー妖怪のお祭りがある。楽しみにしていたリザベルだったが、師匠・秋を責める妖に出会う第二話ーー人と妖の話が綾なし、一点へ向けて突き進む、シリーズ11弾。(裏表紙引用)


「薬屋探偵妖綺談』シリーズ第11弾~。
毎回姉貴からしかほとんど反響のない巷で大人気のこのシリーズもいよいよ盛り上がって参りました。あと2冊+短編集ですよね?しかし「怪綺談」(だっけ)が出てるから結局謎は謎のまま終わるというのも有り得る。。

今回は今までとはまた作風を変え、二部構成となっておりますね。全く違う二つのお話かと思いきや視点が変わるだけで、同じ出来事を綴ったもののようです。薬屋3人組ファンとしては、ゼロイチも登場する第二話の方が食いつきがいいのではないでしょうか。第一話は姉貴お気に入りの高遠刑事の独断場という感じもしますね。彼の父親が出て来たり見合い話が出たりと彼の背景がだんだん色濃くなって参りました。これはこれなりに怪奇話としても楽しめます。
第二話の、お祭りにはしゃぐ座木というのもなかなかのよだれもの。リベザルと秋の師弟関係は相変わらずで良いのですが、秋が優しければ優しいほど妙に哀しいエンディングを連想してしまうのはうがちすぎかしら。。