すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

クロへの長い道  (ねこ3匹)

イメージ 1

二階堂黎人著。講談社文庫。


私の名は渋柿。一匹狼の私立探偵。独身で六歳の、ちょっとシャイな黄色人種。母親や知人たちは、私のことを気安く<しんちゃん>と呼ぶーー。ライセンスを持たない幼児探偵が難事件を次々と解決していくハードボイルド感漂う表題作、「見えない人」をテーマに描いた『八百屋の死にざま』など四編を収録。(裏表紙引用)


前作「私が捜した少年」に続くシリーズ第2弾。もうバラしてもいいですよね。六歳の幼稚園児がハードボイルド風を吹かせて颯爽と?事件を解決するかっこいい私立探偵もの。どんなにしんちゃんがかっこつけても”かわいい”としか思っていない事、本人が知ったらショックだろうなあ。
しかし、しんちゃんと会話をする他の幼稚園児も必ずハードボイルド口調なのはどうして?^^;しんちゃん達の台詞だけ「」じゃなくて『』になっているのも気になる。もしかして、本人以外の大人には子供言葉にしか聞こえていないとか?

内容としてはなかなか。元アイドルの母親と、警察官の父親の存在が支えとなって、しんちゃんが大活躍。「カラスの鍵」は宝石盗難と殺人事件を扱っているので、大人の世界に紛れ込んだしんちゃんの活躍ぶりはもろコナン君でした^^;盗難にまつわる密室のトリックはなんだか必要性を感じなかったし、殺人の動機も甘いのでこれだけはいまいちな作品。ラストの「八百屋の死にざま」はなかなかシリーズに似つかわしくなく重い内容。タイトルの遊び方に笑ったけど^^;、八百屋じゃなくても、と
思ってしまったのでマイナス~。まあ、こじつけたかったんでしょうけども。

まだシリーズ続いてますよね。こうなるとサトルものの方がやっぱりいいかなあ。