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図書館警察/Four Past Midnight II (ねこ3.6匹)

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スティーヴン・キング著。文春文庫。


あの図書館には何かがいる。不気味な貼り紙、冷酷な司書、期日に本を返さないと現れる図書館警察。
幼い頃の恐怖が甦り、サムの心を侵す。戦え、心の闇を消し去るのだーー恐怖に対決する勇気を謳い、
感動を呼ぶ表題作。さらに異界を写すカメラがもたらす破滅を描く「サン・ドッグ」。翻訳者+装丁者
による巻末の解説座談会も必読。(裏表紙引用)



『ランゴリアーズ』と対をなす作品だそうですが、生憎そちらは未読です。この本までのキングは
結構読んでるんだけどなあ。当時あれほどはまっていたキングですが、いつの間にか古本屋で見ても
素通りするようになり、積読期間も長くなった。。この本をきっかけにキング熱が再熱するかと
思ったのだけど、それなりに良かった割にそこまでの盛り上がりにはならなかった。

表題作は約400ページの長編で、これだけで1冊出しても良かったような気がする長さ。後の
「サン・ドッグ」も300ページくらいあるもんだから、果たして分厚い分厚い本が出来上がった。
この本はタイトルにだけ惹かれたと言っても良く、本を期日までに返さないと警察がやって来る、
という設定にわくわくして読み始めた。が、どちらかと言うと怖いのは図書館警察ではなくて
司書の方だった^^;このアーデリア・ローツというおばちゃんの不気味さと執拗さは只者ではない。
一瞬『ミザリー』に出て来るアニーのような役どころを期待したが、こっちはなんだろう、ゾンビ
なのか怪物なのか妄想なのか^^;;
前向きな展開と少しのラブロマンス、アル中のデイブとアーデリアの物語と内容は盛りだくさんで
なかなか楽しめた。

しかし、子供の頃見てトラウマになる怖いポスター、って確かにあるよね。おいらの場合、
交通安全の看板の女の子が怖くて今だに忘れられないやつがある。「飛び出し注意!」って書いて
て、車の絵と泣いて逃げる女の子の絵。その女の子の頭に付いているリボンがやたらでかくて
赤色と黄色の水玉みたいな模様で、ず~~~~っとそのリボンを「女の子が轢かれて頭から脳みそが
出てる」と思ってたんですよ^^;;;


で、収録作の「サン・ドッグ」。
どちらかと言えばコッチの方が気に入ったかも。誕生日にもらったカメラが、異界の魔犬?を
写し出して、しかもだんだん動いている、っていうのがね。何がどう怖いか明確ではない分、
不気味だったなあ。