すべてが猫になる

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凶宅  (ねこ3.7匹)

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三津田信三著。光文社文庫


ここ、絶対におかしい。小学四年生の日比乃翔太は、越してきた家を前に不安でならなかった。山麓
拓いて造成された広い宅地に建つには、なぜかその一軒だけ。両親と姉は気にも留めなかったが、夜、
妹のもとにアレはやって来た。家族を守るため、翔太は家にまつわる忌まわしい秘密を探り始める。
そこで出会ったのは、前の住人である少女が綴った恐ろしい日記だった……。(裏表紙引用)



あれっ、もしかして一番乗り?^^;(師匠はどうした~)
『禍家』に続くハウスホラー文庫書下し、第二弾。
いやいやいや、やっぱりこの系統は三津田さんハズレがないよ~^^「スラッシャー」とか
「十三の呪」とかで不信感を抱いている方もきっとこっちなら大丈夫。もちろん如きもの系の
痺れる論理とかミステリとしてのカタルシスとかはありませんが、読み物として楽しむなら断然
お薦め!

ただ、怖いかと言うと微妙ですが^^;少年の視点なので、ヘンな予感がしたりヘンなモノが
見えても「気のせいでは」と思ってしまうのはごめんなさい。でも、恐怖に立ち向かう少年二人の
勇気、闘いはそれなりにワクワクするし、家族からの疎外感が信頼感へ移って行く様もなかなか
うまく書けている。目新しい真相とは言えないけどミステリ的なお遊びも挟まれていて
意外と言っては失礼だけど盛り上がります^^

一つ、三津田さんの大きな変化というのは、随所に挟まれるギャグというのか^^;だんだん
読んでいる人が面白く読めるように、ユーモアを挟むようになって来たような^^;;
ゆきあやとしては歓迎なんだけど、扇婆さんの出て来る章は怖さよりも笑いが勝ってしまった
気がしてこれはこれで勿体ないのかなあ^^;