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セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴  (ねこ3.7匹)

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島田荘司著。角川文庫。


占星術殺人事件」の直後、御手洗と石岡のもとを高沢秀子という老婦人が訪れる。最初はひやかしの
客かと思われたが、秀子の知人・折野郁恵の話を聞いた御手洗は、「これは大事件ですよ」と断言
する。教会への礼拝中、雨が降り出すや郁恵は顔面蒼白となり、その場に倒れ伏したというのだ。その
奇妙な行動の意味とは?ロマノフ王朝から明治政府に贈られた”ダイヤモンドの靴”を巡り起きた
事件を御手洗の推理が解き明かす!(裏表紙引用)



『シアルヴィ館のクリスマス』という本編の前章らしき短編が収録されていますが、なんだかこれは
よくわかりません^^;たった30数ページなのに挫折しようかと思いました。スウェーデン
あたりの北欧で脳科学者となった御手洗さんが、サンタと性の象徴について仲間と云々かんぬん。。
ロシアから日本へ贈られたダイヤモンドの靴についても語られており、本編の予備知識を備えるための
お話だった模様。でも必要だったかなこれ?^^;


さてさて待望の本編。
御手洗さんと石岡君が若いぞー!v^^v
謎の発生の仕方も御手洗シリーズらしく、奇天烈さ、ユニークさがファンにはたまりません。
謎を取り囲む登場人物たちの色の濃さはさすが。このドラマ性はやはり新人作家にはなかなか
見られないものですね。真相そのものを取り出せばリアリティの欠如が目立ちそうですが、
島田さんの筆力と大胆さで成功した印象も。
とりあえず御手洗さんの優しさがラストに溢れていて、初期の御手洗シリーズ短編などがお好きなら
読んで損はないはず。


しかしこれはいつ頃描かれたのかなあ?御手洗さんが若かったらやっぱり面白いのか、島田さんが
若い頃描いたものが面白いのか、ちょっと興味が^^;