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最後のディナー  (ねこ3.6匹)

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島田荘司著。角川文庫。


龍臥亭で出会った里美と石岡に新たな事件が降りかかる。上京してきた里美に勧められるままに、
英会話学校に通うはめになる石岡。そこで知り合った孤独な老人と親交を深める。しかしイヴの夜に
里美と三人で囲んだ晩餐を最後に、彼は帰らぬ人となった。あの夜、彼が取った謎の行動の意味とは
……?表題作「最後のディナー」ほか全三編を収録。心が痛むほどの透き通った愛を描いた、「御手洗
シリーズ」珠玉の短編集。(裏表紙引用)



島荘積読本、ラストスパート。本書は薄く収録数も少ないのであっと言う間に読めました^^v
御手洗シリーズってまだまだこんなにあったのか。。「ネジ式~」で務めを果たしたような気分に
なっていましたが気のせいでした。

では感想。


『里美上京』
タイトル通り、龍臥亭で石岡君と知り合った里美ちゃんが大学生となって上京して来るお話です。
とりあえず、石岡君は講演が大嫌いなんだね、という事がわかった、というお話。。
これ、一編にしないで残り2作のどっちかに短くして繋げても良かったような。


『大根奇聞』
桜島大根の盗難にまつわるミステリー。御手洗さん、電話で登場!^^;
歴史もの風味でなかなか読ませてくれましたが、御手洗さんの語る真相が専門的すぎて少し
反発心が^^;;


『最後のディナー』
傑作、とまでは行かないかもしれませんが、一番島田さんらしい、人間ドラマに重点を置いた
素敵なミステリーですね。電話とはいえ、御手洗さんが扱う事件はどうしても国際的になって
しまっている。。とにかく英会話が「でぃすいずあぺん」レベルの石岡君が哀れ^^;;



あらすじにあるように、「透き通った愛」をテーマにしているのでこの里美ちゃんを出して来たのは
正解かも。あまり生活感のないキャラクターでアイドル的扱いですが、彼女の人格に合っている
お話だった気がします。
ただ、石岡君があまり魅力的に映らない。。情けないおっさん化しているのが切ないです。
前に前に進んで行く御手洗さんとどんどん引き離されて来ているような。。