すべてが猫になる

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ブックストア・ウォーズ  (ねこ3.7匹)

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碧野圭著。新潮社。


27歳の亜紀は、大手出版社の編集者と結婚して幸せいっぱい、仕事も楽しくてたまらない。文芸書は
もちろん、コミック、ライトノベルボーイズラブにも気を配り、売り場改革案や人気漫画家のサイン
会など、ユニークな企画を次々打ち出している。ところが、40歳の独身副店長・理子とは、
ことごとく衝突続きの日々。その理子が店長に昇進した直後、6ヵ月後に店が閉鎖されると知った
二人は…。恋愛、失恋、結婚、離婚、たまには嫉妬や喧嘩だってある。ワーキングガールズの世界は、
幸せ色のピンクや涙色のブルーで彩られたビックリ箱。この本は、働く女性たちへのリアルな応援歌。
(あらすじ引用)



一言メッセージで嘘を書きましたが気にしないで行きましょう。
さて、本日の読了本は以前からずっと読みたいな~、と思っていた作品。てっきりミステリだと
思っていたのは迂闊だったが気にしません。

いきなりですが、わたくしは本が大好きなのは間違いないと思うのですが、「本屋さんで働きたい」と
思った事は一度もないのです。現実で、レジ以外で書店員さんとコミュニケーションを取るという
機会がない為か「素敵な書店員さんだ!」とかそういう人対人の思い出がない(逆ならある)のも
理由の1つかもしれません。現実には重労働で賃金も安く、「別に本屋で働いたからと言って
今よりさらに多く本が読めるわけではない」という身もフタもないイメージから来るものです^^;
仲間を求める、と言っても実際小説のジャンルなんてコミックも合わせれば百とあるわけで、
「ミステリマニア」という人種が一般の読者の方々にどういう目で見られているか、というのも
なんとなーく自覚しつつあるもんで^^;

そしてそして、自分が利用する書店を決める理由というのは、雰囲気でも愛想でも清潔さでもなく、
立地と「蔵書の多さ、幅広さ」なんですよね^^;「そこそこ大きい」というだけでは、自分が
欲しい本が全部揃わないなんて日常茶飯事なんで、それさえ充実していればたとえ店員さんが
ピアスに金髪であろうと気にしません(笑)



えー、前置きが長くなりましたが、まあ、本書を読みながらこういう事をいっぱい確認させて
もらえたな、と^^;最初は「本屋設定じゃなくてもええやん」と思って読んでいた二人の
女性達の戦争でしたが、後半から真の意味の戦争が始まります。いかに書店員さん達が本を
愛し、仕事にプライドを持ち、さらにこの商売がいかに厳しいものであるか、そして楽しく
やりがいのあるものであるか、が強く伝わって来てしまいました。ほんと、申し訳なく
なるくらい^^;おいらも本当は読む本100%買いたいんだけど、その為にも積読本処理を
頑張るので許してね^^;(←誰に謝ってるのか。。)

でも、リアル書店では正直あまりいい店員さんに出会った事がないのは本音。探してる本が
ないので聞いたらさっきまで自分が探していた棚を探し始めて「ないですねー」と言われたり
(探してもないから聞いてるんですが。。)伊坂幸太郎の新刊がないので聞いたら作家さんの
名前を伝えるだけで2分くらいかかったり(CD屋の店員さんがオアシスを知らなかった、という
ぐらいの衝撃だった^^;)。そういう事が昔続いたのでもう声をかけなくなりました。。いい
書店員さんも絶対存在しているはずなので、いつかそういう方にひょっこり出会いたいなあ。


また話それた。(←根っから本の話が好きなの^^;)
お話の印象は若干ご都合主義的なのが気になったし、理子がクレーマーに対処したあのシーンを
後で生かして欲しかったし、亜紀の旦那さんは嫌いだけど^^;、最初の忌々しさがどこへやらの
スカッとする結末は爽快でしたね。これ、続編出ないかなあ。