すべてが猫になる

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果断 隠蔽捜査2  (ねこ4.4匹)

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今野敏著。新潮社。


警察庁長官官房の総務課長から大森署の署長に異動になった竜崎伸也。管轄内で起きた消費者○融
強盗事件と小料理屋立てこもり事件の捜査に奔走する竜崎だが、警察内部での上下関係の圧力と
柵に見事立ち向かえるのか。一方、竜崎の妻が胃潰瘍で入院し…。



いやあ、続編と言えば「1作目より落ちる」のがシリーズものの通例だと思っていたけれど、
これも負けじと面白かったですがな!むしろ、竜崎の「正論を通す」変人ぶりを把握した上で、
さらに職場や彼の家族の人間関係を改めて復習すると以前よりさらに楽しめるんじゃないか。

今回は、前作よりは事件にツッコんで書かれているので普通の警察小説っぽい。前作でおちゃめ
ぶりを披露してしまった戸高刑事や、竜崎を目の敵にしている野間崎などなど、竜崎との
一触即発!な会話が面白い。伊丹にタメ口を利く彼を目の前にし、竜崎の前の肩書きを
思い出した時の野間崎の慌てっぷりが最高におかしい^^;呼びかけが「貴様」から「あなた」に
変わってるよー(笑)
また、息子の意外な夢を聞かされた竜崎の反応と、DVDを観てからの彼の心境の変化が
うまく物語に機能しております。じーん。

人物については、どいつもこいつも結局は○人かぃ、と思ってしまうベタさが徹底していて
これはもうまっったく嫌いじゃない。冴子さんは本当に素晴らしい憧れの女性だし、さらに
かと言って完璧じゃないんだよ、という人間らしさまで描けているのがなおいい。


しかしこりゃ完全に竜崎のキャラクターの勝利ですな。
新刊が出るたびにブログ内祭りが開催されるシリーズに昇格しそうな予感^^