すべてが猫になる

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あした天気にしておくれ  (ねこ4.2匹)

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岡嶋二人著。講談社文庫。


競馬界を舞台にしたミステリーの最高傑作。北海道で三億二千万円のサラブレッド「セシア」が
盗まれた。脅迫状が届き、「我々はセシアを誘拐した」で始まる文面は、身代金として二億円を
要求してきていた。衆人環視のなかで、思いもかけぬ見事な方法で大金が奪われる。鮮やかな
トリックが冴える長編会心作。(裏表紙引用)



あれ?岡嶋さんの書庫ってウチになかったっけ?^^;;
というわけで、先日よもさんに強力なお薦めをいただいた本。さすがよもさん、おいらコレなら
『99%の誘拐』より好きだぞ。
競馬界が舞台ということなので、ギャンブル全般を全くやらないゆきあやにはどうかなー、と
不安もあったのだけど、わからない用語や複雑そうな仕組みについてはわかりやすく説明が
入れられるのでそこはなんとかクリア。
なによりも、誘拐ものは誘拐ものでも、それが人間じゃなくて馬だというのが面白い。さらに、
それがただの誘拐ではなくて、色々複雑な思惑があって、その仕掛人ですらも翻弄される
展開というのがありきたりの誘拐ものではなくなっている。

騙しているのは誰なのか、その動機は何なのか、目的すらも掴めないまま事件はどんどん意外な
方向へ。身代金の受け渡し方法は思いもよらないアイデアで度肝を抜かれる。『99%の誘拐』を
模倣した事件が起きたのは記憶に新しいけれど、本書を読みながら「この方法って現実に可能だったら
やばいのでは」と変な心配をしてしまいました^^;まあ、時代が古いし不可能よね。

いやあ、サスペンス小説(人死なないけど)のスリルというのを久々に味わえました^^
よもさんありがと~。