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十三の呪 死相学探偵1  (ねこ3.7匹)

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三津田信三著。角川ホラー文庫


幼少の頃から、人間に取り憑いた不吉な死の影が視える弦矢俊一郎。その能力を“売り”にして東京の
神保町に構えた探偵事務所に、最初の依頼人がやってきた。アイドル顔負けの容姿をもつ紗綾香。
IT系の青年社長に見初められるも、式の直前に婚約者が急死。彼の実家では、次々と怪異現象も
起きているという。神妙な面持ちで語る彼女の露出した肌に、俊一郎は不気味な何かが蠢くのを
視ていた。死相学探偵シリーズ第1弾。 (裏表紙引用)



はぁぁぁ、微妙^^;;
恐ろしく読みやすいのは歓迎すべきだけど、その分文章力のなさが際立ってしまっています。
コンセプトを想像すればそれも故意なのでしょうが、これは漫画にした方が面白かったかも。
三津田さんお得意の怪談も楽しみの一つでしたが、最初の俊一郎の幼少体験のエピソードしか
ぞくっとする要素がなかったですね。お屋敷で次々発生する怪異も、”味覚がなくなる”とか
”唐辛子に咽せる”とか、その他も物が落ちるなどのパターンの繰り返しでかえってギャグになって
しまっています^^;

未読の方が気になるのは俊一郎のキャラクターだと思うのですが、う~ん、個人的にはあまり
好きなタイプではなかったですね。何より、依頼人の女性の死相を視るためにどうして全裸に
なってもらう必要があったのかなー、とか。。死相が視えるシーンより、依頼人が恥じらって
脱いで行く過程がやたら長かったので気が悪かったです。その必然性を感じない設定だったので、
なんか俊一郎にというより三津田さんに対して不信感を抱いてしまいました。


肝心の真相の方ですが、そのネタを仕込みすぎたために”しつこい”印象が強くなったというか。
ネタ自体面白かったので、見せ方がもったいなかったですね。


とかなんとか言いながら点数は高めです^^;
最初に微妙、と書いた通り、気に入ったり気に入らなかったりしながらずっと読んでいたので。
ホラーというより軽めの本格推理にスタイルが近く、読みやすさも手伝ってそれほど嫌いな
タイプの小説ではありませんね。たぶん、「2」も買うことになるでしょう^^
(少なくとも『○雲』よりはゆきあやは好みである。。)