すべてが猫になる

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イヴの夜  (ねこ3.6匹)

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小川勝己著。光文社。


光司にとって、初めてイヴの夜を過ごすはずだった恋人・麻由子が殺された。自宅で何者かに、
メッタ刺しにされて。容疑者となった光司はマスコミに追われ、家族にさえも疑われ失意の
どん底にいたが。。。
一方、風俗店で働く対人恐怖症のひとみは、仕事で出向いたホテルで奇妙な男と出会う。




この指とまれ」が置いてなかったのでコッチを先に読みました。
今回は長編ですね。
いやはや、なんともはや^^;この純愛小説ばりの表紙とタイトルだけで読んでしまった人が
いたら可哀想になる内容でしたな。テーマは”コミュニケーション不全”で、小川さんが
本領を発揮出来そう(姉貴グッバイ)。

合コンにジャージで現れ他人を箸で指差す女性^^:、
マニアックな話を一方的に振りかざし悦に入る風俗店ドライバー^^;;、
友人の恋人が亡くなったのに「香典はお前持ちな」と当人にのたまう大学生^^;;;、
集団で無抵抗の人間をリンチするヤンキー^^;;;;、
風俗店で働き恋人に貢いだ挙句捨てられる女性、

いやあ、不愉快不愉快(笑)
ゆきあや昨日はちょっとへコんでいたので、そんな時に一番読んではいけない作家を
読んでしまいました^^;

ミステリ的にはなかなか凝ってまして、誰がどう壊れていてもおかしくない状態なので
全員が色々な事で怪しい^^;ラブストーリーとしても今回は珍しく光を見つけて進み出す
展開なので満腹になります。


普通の作家として考えればこれは大変まとまっているのですが、小川さんならばもっと
明るい希望を残酷に打ち砕くような、洒落にならないものを求めてしまいます。そんなわたしは
間違っているでしょうか^^;