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月神の浅き夢  (ねこ3匹)

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柴田よしき著。角川文庫。


若い男性刑事だけを狙った連続猟奇殺人事件が発生。手足、性器を切り取られ木にぶらさげられた
男の肉体。誰が殺したのか?次のターゲットは誰なのか?刑事・緑子は一児の母として、やっと
見付けた幸せの中にいた。彼女は最後の仕事のつもりでこの事件を引き受ける。事件に仕組まれた
ドラマは錯綜を極め、緑子は人間の業そのものを全身で受けとめながら捜査を続ける。刑事として、
母親として、そして女として、自分が何を求めているのかを知るために…。興奮と溢れるような情感が
絶妙に絡まりあう、「RIKO」シリーズ最高傑作。 (裏表紙引用)



RIKOシリーズ第3弾です。
いやあ、長かった……(;^^A。。
柴田作品の中では比較的好きなシリーズですが、ちょっと食傷気味。。事件が凄惨すぎるのは
いいとしても、展開にリアリティがなくなって来たような。それよりもこのシリーズの読みどころは、
ヤクザの若頭・山内の存在や元刑事の麻生、麻生を愛する静香、そして緑子の母として刑事としての
成長ドラマなのですが。どちらかと言うと主人公は男性陣で、それを女から見た姿、という
作風になっている気がします。いや、山内は個性的なのでそれでいいのですが。

やはりこれぐらいやらないと惹き付けられないの?というぐらい、女性への暴力描写が凄まじいのは
シリーズの特徴ですが、今回さらにそれが顕著ですね。女性作家がこれを描くというのはかなりの
エネルギーがいる気がしますが。
緑子には自ら課した試練がありますが、こういう決断をしないとキャラ立ちと物語として
かっこがつかないのだよね、と妙に納得してしまったところがあります。
多分、第2弾が自分にとって良過ぎて、感じるところはすべて感じ終わってしまった、という
感じです。

冷めた読み方をしたわけではないのですが、少し好みから外れて来ました。。
積読も終了したことだし、もしかしたらもう柴田さんは積極的に手を出さないようになるかも。。