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孤虫症  (ねこ3.6匹)

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真梨幸子著。講談社



第32回メフィスト賞受賞作。
念願の分譲マンションを購入した主婦の麻美には、誰にも言えない秘密があった。妹名義のアパートを
使用し、週3回別の男とフリーセックスを楽しむのだ。やがて関係のあった男達が次々と全身に紫色の
瘤が出来るという奇病で死亡し……。




今さらですが、読みました。現在出ているメフィスト賞作品の中で唯一読みこぼしていた作品。
別に読む気が湧かなかったわけではなく、むしろ面白そうだし評判も良いので文庫かノベルス落ち
するのを待っていただけなのですが。。。出ねえよ!!

さて、感想。
とにかく気持ち悪い。孤虫症という病気は現実に存在するもののようですが、とにかくその虫に
蝕まれた身体の描写は読んでいて痒くなるぐらいおぞましい。。特に、トイレでの出来事がね。。
さらに、登場人物までもが主人公を含めて精神的に気持ち悪い。あらすじ↑を読んでもらえれば
わかると思いますが、絶対この女性は自分と違う星の住人だ。
おまけに性描写が変態的というか、良く言えば開放的すぎて気持ち悪い。別にこういう人達が
いるのは知っているし、自由なんだけど。書かないで欲しかった^^;;

まあ、自分は虫が絡んだお話が全面的に苦手なので否定的に書いてしまいますが、
メフィスト賞の中では際立った良い出来の作品だと思いますな。ミステリーとしての仕掛けも
プロ顔負けだし、女同士の嫌らしい嫉妬やしがらみも「有り得ない」とか言って馬鹿に出来ない。
表紙がブツブツ仕様になっていて凝っているのも気合いを感じさせる。このブツブツは評判に
なったようだが、個人的には自分が小説内で感じた”瘤”との相違を感じてそれほど面白がれ
なかったかも。


この作家さんは既に4作ほど出版されているもよう。読破したいとまでは行かなかったけど、
1冊気になる本が。女性をネガティブに描くのが上手そうな方なので、ちょっと期待。