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殺人ダイヤルを捜せ  (ねこ3匹)

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島田荘司著。講談社文庫。


綾子は商社の電話交換手である。夜の退屈しのぎに女友達からそそのかされて、テレフォン・セックス
を始めた。そしてある夜、ダイヤルをまわしたとたん、耳に入ったその声!綾子がその番号の持ち主を
知ったとたん、事態は驚愕の方向へ。鬼才が都市の恐怖、人間の弱点を衝撃的に描いたサスペンス
秀作。(裏表紙引用)



な、なんだこれは(笑^^;;;;)
「夜の退屈しのぎに女友達からそそのかされて、テレフォン・セックスを始めた」

はあ、そうなんですか……。。。


いやあ、御手洗&吉敷以外の島田さんを読んだのは初めてですが、すさまじいものを書いてらした
のですね(;^^A。。しかも、まだ重版されているのですね。。(画像が拾えてびっくりだよ)
島田氏の描く女性はことごとく評判が芳しくないのですが、(先日のしら菊さんのあの記事ね^^;)
これは強烈でしたな。別に淫らな女性だからというわけでもなく、同棲していた元彼といい、
選ぶ友人といい、自己顕示欲が無駄に強いが保守的なわりに大胆でわけがわかりませんえん。
動くべきところと、抑えるべきところが常識下で見ると真逆なのでそんな悲劇のヒロイン
誰が同情するんだってなもんで。

これ、こういう女性が語り手じゃなかったら、今読んでも結構着眼点はいいのよね。
都会の闇というのか、したたかな人間と孤独な人間の対比が浮き彫りになっていて
どちらが正しいか、まともなのか、って事で現代でも通用するテーマ。
でも、これだと恥ずかしい人間しか出て来ないので所詮モラルのない人種間の出来事って感じで
もったいないかなあ。

ミステリーとしても、トリックが緻密な割に成功率が低いので意味不明な感も^^;
積読してある『火刑都市』『死者が飲む水』を読むのが怖い。大丈夫よね?^^;