すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

今昔続百鬼 雲 ー多々良先生行状記ー  (ねこ4匹)

イメージ 1

京極夏彦著。講談社文庫。


「あなたーー妖怪お好きですか」。その男は真顔で尋ねる。これぞ多々良勝五郎大先生。人の迷惑
顧みず、怪異求めて六十余州を西東。河童に噛み殺された男、物忌みの村を徘徊する怪人、絶対
負けない賭博師、即神仏の神隠し……。センセイの行くところ、およそ信じがたい出来事ばかり
待つ。して、その顛末は?(裏表紙引用)



京極氏の”分厚い”外伝シリーズ第三作目。
今度は多々良先生モノですか……。この名前、どこかで見たなあ、京極堂シリーズに登場した
誰かだったよな、と珍しく記憶に残っていたもよう。ゆきあや調べによると、『塗仏の宴』に
出ていたらしい。
謎解きものとして読むと、おいらはえのさんものよりコッチの方が良かったかな。
『陰』みたいな怪奇ものも好きだけど、こちらは怪奇を扱っていながら、怪奇の謎と
そこに起きた人間にまつわる事件を同時に解決してしまっているのがいいなあ。

そして、この作品集は多々良センセイのキャラクターに言及しないわけにはいかない。
人の名前を覚えないというのはえのさんと一緒だけど、センセイの場合はそういう時に
沼上君に向かって「ぬ」「ぬ」と言うのだ^^;;「ぬ」てあんた……^^;;
あと、妖怪がらみの話になると「くくく」「ひひひ」「キキキ」と笑う^^;
とにかく世界が妖怪を中心に廻っていると思っていて、誰彼かまわず演説をぶちかます。。
自分勝手ですぐ人のせいにしてずうずうしくて常識のない”変態”である(沼上君・談)
このセンセイを、初めはおいらあまり好きじゃなかったのだけど。。
えのさんもそうだけど、彼は”麗人”だもん。許せるよね^^;こちらは巨漢の……ごにょごにょ。
まあしかーし、それでもいつの間にか事件を解決に導いて行くのがいいよね。
元々の行動はそれを意図したものではなかったパターンが多いんだけど、まあ終わり良ければ^^;

京極堂の登場も嬉しかった^^「古本屋です」と言った瞬間、「出たー!(ノ^^)ノ」と
喜んでしまいました。かっこいいよねえ、”本物”は^^