すべてが猫になる

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ハード・ラック・ウーマン  (ねこ3.7匹)

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栗本薫著。講談社文庫。


「悪い星の下に生まれた女」ーーーライが殺された。オレたちのロックバンドナイトメアのグルーピー
だった。誰もその本名を、その哀しい過去を知らない。オレはハード・ロックの神話をいくつでも
思い出すことができる。シド、ジミ、テリー、ジャニス……。ハード・ロックにハッピー・
エンディングは似合わない。(裏表紙引用)



さすが80年代^^;スケバンが「カミソリ二枚刃」でカツアゲしてます^^;
語尾に「~~してんじゃねーヨ」のように「ヨ」がついてます。「ヨ」って……「ヨ」……^^;;
まあ、そんな時代の古さをあげつらう記事だとつまんないので、どうしても気になった上の
2点だけ挙げておきます。。。

ミステリではありませんね。ロックに魅せられた一人の男(バンド)と、彼らを取り巻く女たち、
ライオンこと「ライ」という不幸な田舎出のツッパリ女の物語です。
栗本さんも、これだけ詳しくロッカーの心理を描きこなせている所からして音楽がお好きとみた。
このタイトルも、KISSの曲から取ったに違いないし。

主人公のシンはずばり好きなタイプではない(ていうか好きにならない方がいいタイプ)けど、
リアリティが凄くある。実際、こういうバンドマンは現実にいるので。
なんかイヤな言い方してますかわたし?^^;いや、おいらが若かったら凄~く共感していたと
思うし、ここまでロックに人生を捧げられなかった自分の嫉妬も入っていると思って下さい。
ただ、おいらがハードロックにハマった時期が全くないので。。(少しそれがコンプレックス)
パンクが好きで、そのままニューウェーブに走ってしまった人間なので、シンの崇拝する
ミュージシャンはどれも「王道だなあ」としか思えなくて。
趣味で、ファンなどがファッションを模倣する行為は微笑ましいしお洒落の一貫として
好意的に見れるのですが、シンのようにロックを愛していてギターを離せなくて、それで
服装を含む生活全般を「ロック」に生きる、というタイプとはソリが合わないのです^^;
極端な事を言えば、パンクスがパンクファッションをする事自体、精神がパンクスではないと
言うのがおいらの持論。人によるけどね。

……とかなんとかうざったい事を考えていた元気な頃の自分でした。
今は、「自由だろ」と思ってますが。う~ん、丸くなった。
(でも、今でもグルーピー(今はそう言わないけど)の女の子達は好ましく思ってないのは一緒。
「誰かの何々」になる事で自分のステイタスを上げようとするな~)
それでも、こんな事を思い出すくらいだから、「若くないバンドマンによくいるタイプ」と
いう目で読んでました。一般の人にとってははみ出しもので、変わった人なんだろうけれど、
経験者としては「型に嵌まった」印象なんですよね。
しかし、良く書けてるよなあ栗本さん。(えらそう)時代のズレはあるとはいえ、年齢的にも
ちょっと身に詰まされちゃったもんね。