出たよ12位にして王道。王道にして本格。その正体はみんな大好きアガサ・クリスティの
代表作の一つ、『オリエント急行の殺人』!
江戸川乱歩、横溝正史、エラリー・クイーン、ディクスン・カー……ありとあらゆるベタベタ
本格や探偵小説をミステリ好きのレール通りに歩んで来た我が人生。「ユダの窓」も好き、
「黒猫」も好き、「少年探偵団」も金田一耕助もみんな大好き。だけど、やっぱりおいらは
アガサ・クリスティが一番好きなんだぃ。およそ80いくつに及ぶクリスティの作品群、
今のおいらを見れば想像もつかない姿かもしれないけれど、おかんの本棚にあった
「そして誰もいなくなった」を読んで以来、他の作家の本には見向きもせずに古本屋を毎日
巡り巡ってほとんど全ての著作を集めて読みあさってたんだぃ。
(実は、古本屋派の哀しさ、今だに『象は忘れない』と『チムニーズ館の秘密』だけ持っていない。
でも『エッジウエア卿の死』は3冊ダブり買いしている^^;)
代表作だけが面白い、という作家ではないのがハマった理由のひとつかもしれない。
それだけの作品数の中、ゆきあやが「あれ?これはいまいちだったな」と思ったのは
『複数の時計』と『バートラム・ホテルにて』だけだったのだ。
もちろん、ポアロものが一番好きだった。「探偵が一堂を集めてさてと言い」のスタイルを
愛していたからだけど、キャラクターならミス・マープル派。その洞察力と年齢から魅せる、
厳しさの中にある優しいまなざしが本当に好きだった。
まあ、中学生~高校生の頃だったので、ただ単にミステリにハマっていただけかもしれないけど。
とにかく、自分が「ミステリの意外性」そのパターンのほとんどをアガサ・クリスティの
作品で経験したと言ってもいい。使用人が犯人、依頼主が犯人、妻が(夫が)犯人、
死者が犯人、た○○○が犯人、ぜ○○○が犯人、実は自殺だった、etcetc。。。。。
その中でも、最も驚いた意外な犯人、というのが本書だったのだ。
この作品は漫画や小説など様々な場所で”ネタバレ”されている。
(いくら有名すぎる、知っていて当然とされている作品だからと言って、ネタバレしていい
理由にはならないよ。誰もがミステリにハマるきっかけが古典とは限らないんだからね!)
まあしかし、それほどまでに有名な作品である、という証明にはなる。知らない人は幸せだ、と
言いたいけれど、これのバリエーションなんていくらでも出ていると思うのでどうかな。。
寂しいねえ。関係ないけどおいらは『エジプト十字架の秘密』をネタバレされた経験があって、
一生恨んでやる、と思っている。
しかし、初読時の興奮は凄かった。読後、本を持って洗いものをしているおかんに向かって
大騒ぎしたのだ。「お、おかーちゃん、これめちゃくちゃ面白かった!な、なんと
犯人がーー!!」おかん、しれっとした顔で「○○が犯人やったんやろ」と冷たい返事。
その側にいた兄ちゃんがしれっと「ポアロで○○が犯人(「アクロイド殺し」の事を言ってる)
っちゅーのもあったな。フッ」その後でおかん「それの映画あるけど観るか?」とビデオテープを
漁る。。。
映画も観たんですが、なんと小説と微妙に結末が違ったんですよ^^;;これが許せなくてねえ。
ゆきあや的に、ポアロの理論で「13人のうちの……(ピーーーーーーー)でないかということ
なんです!!」の部分が気に入っていたので、映画バージョンだと「そのままやん」と
思ってしまったのですよねえ。(う~ん、反転のやり方覚えんといかんね。伝わるかな^^;)
しかも、明るく終わったのが許しがたかった^^;ちょっと引いた^^;
そんなこんなで、今でもゆきあやの血肉となっている作品の一つなのでありました。
ポアロの葛藤、彼が持つ正義感とポリシーが一番出ている事件じゃないかなあ。まあ、
それは大人になって何度も読んでからの感想なのだけど^^