すべてが猫になる

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密林  (ねこ3匹)

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鳥飼否宇著。角川文庫。


沖縄・やんばるの森は、人の手の入っていない自然がいまだ残る原生林だった。昆虫採集家・
松崎と柳澤は、ギネス級に成長するオキナワマルバネクワガタの幼虫を求め、森へと踏み入る。
台風の襲来により荒れ狂う森で、二人は軍から脱走した米兵と出会い、森に財宝が隠されている
事を知る。傷ついた米兵から、難解な暗号で書かれた財宝の地図を残された二人は……!?
米軍、ハンターと二人の三つ巴での、命を懸けたサバイバル宝探しゲームが始まる!!
(裏表紙引用)



嫌いではないが、最後まで何がなんだかわからなくさせてくれたのには参った。そんな本だった。
奄美大島で生物観察を続ける鳥飼否宇が描く、迫真の大自然アドベンチャー
う~~~~ん(ーー;)。。。
生物にも暗号にも全くおいら興味がないからね。。。むしろ昆虫はご遠慮したいぐらいだし。
と、いうわけで昆虫の蘊蓄と暗号解きの所はためらいもなくすっ飛ばして読ませていただいた。
姉貴が「暗号が主題ではないだろう」と仰っていたし。
じゃあ何が主題かと言うと、とりあえず好きな事を書きまくりたかったのであって
おそらく、多分、きっと、これがやりたかったのだろう、と思わせるある一大トリックの方は
微妙に失敗しているような惜しい感じも。たしかにこのトリックだけ、でまとめるには
お粗末なお話だし、これで内容としては詰まったものになっているのでしょう。
語り手、視点が変わるのでなかなか面白いはずなのだけど。

内容がまとまってないから感想もまとまらない。。

しかし、やっぱりところどころこの作家さんは変だ。
「変な事をしよう」という確信犯というよりは、執筆中にこういう事を急に書きたくなる
発作のようなものが……?と疑いそうになってしまう。
これも一つの魅力だろう。鳥飼さん、これで意外と読みにくくはないのだ。