すべてが猫になる

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ストリッパー/The Stripper  (ねこ3.6匹)

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カーター・ブラウン著。早川書房


スター・ライト・ホテルの15階から今にも飛び降りようとしている一人の女。連絡を受けた
アル・ウィーラー警部は現場に急行し説得を試みたが、女は突然苦しみ出し、警部の目の前で
地上に落下して行った・・・。だが検死の結果、驚きの事実が判明。女は飛び降りる前に
強力な吐剤を注射していたのだ。自殺か?他殺か?




昭和37年初版、訳者の田中小実昌氏は大正14年生まれの方。当時の定価なんと140円^^;。
図書館に数冊予約したら、小指で持ち上げられそうな薄い本がおいらを待っていました。。
オーストラリアの作家さんという事なのですが、これでも当時はお色気漂うユーモア溢れる
作風が男性読者に受けて5000万部も売り上げたらしいです。

と言う事で大変年季を感じさせる、既に原型を留めていないボロさの超・変色本だったのですが、
それでも中身は意外と綺麗。ところどころ旧字体を使っているので戸惑いましたが、
翻訳物にしてはすらすらと読みやすく、あっと言う間に読了。

てっきりエロとギャグを主体にした、トリックなどもBな感じのコメディミステリかと
思っていたのですが、いやいやいやこれがなかなか。。。「謎とユーモアとセックスのアクション・
ドラマ!カーター・ブラウン超モダン・ユーモア・ハードボイルド!」という売り文句が
書いてあるのですが、私の印象は当たらずとも遠からず。もしこの通り、銃撃戦でラストに
どぱんどどぱん、文章は下品でダジャレ満載、といった作風だったらおいらは
気に入るはずがないので。
このアル・ウィーラー警部というのがいつも相手を皮肉って冗談ばかり言っている
おっさんなんですが、最後だけちゃんと決めるとこは決めるギャップがまたいいのですよ。
ミステリ-としては並だと思いますが、警部とストリップに同行した女性が突然
ストリッパーを目指し踊りを練習し始めるのが……ゆきあやのツボに入りましたよ……^^;;。


次に読む本もアル・ウィーラー警部ものみたいです^^vうふふ。楽しみ。
おいらこういうスマートだけどB級な翻訳ものが好きさー。