すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

天帝のはしたなき果実  (ねこ1.1匹)

イメージ 1

イメージ 2

古野まほろ著。講談社ノベルス



第35回メフィスト賞受賞作。
あらすじは割愛させて下さい。(←死にかけてますがな)
皆さん、私が挫折すると思っていたでしょうそうでしょう。あふぅ。
どうだたいりょうさん。アナタの喜ぶ顔が見たい一心で遂にこの日を迎えましたよでんでけでん。



きりきり、残りの100ページを読むまでは、2.7匹くらいはあげようと思っていたのですよ。
確かに事件が起こるまでの200ページ分は辛かった。いっそ舌を噛もうかと思った。
主要登場人物が一気に8人以上、いきなり大放出でフランス語だのロシア語だのドイツ語だのを
混ぜ合わせてくっちゃべるわけですよ。あ、この人達は1990年の『日本帝国』に籍を置く、
吹奏楽部員なんですけどね。って、それなんやねん。軍人とか普通に出て来ますからよろしく。
しかも、文章にルビ、ルビ、ルビ、ルビ、ルビ。。。は~ぅ。
あのね、「外套」に「コート」、「小球筆」に「ボールペン」はまだいいですよべんべん。
「朱色」に「シナーブル」、「勝者総獲り」に「ザウィナーテイクスイットオール」もまだ
許せますよぷしゅー。(いちいち読まないけどな!はぁははは)「正直」に「しょーじき」とか、
「なんやと」に「ヴァスドゥザークスト」とか、何か意味あるんですかぃたららら。

それでもまだ、後半の推理合戦あたりから奇矯な擬音が若干抑えめになった分
読みやすくはなったきりきり。凝るなら文章よりもトリックにして欲しかったけどる~るるる。
おいら『虚無への供物』あと150ページを残して挫折したうつけ者なんで
エラそうな事は言えないけどさ、それでもアレとコレとの決定的な違いはなんとなく
一つわかったよほめてほめて。文章の一つ一つを分解した時(しないけどめんどくさい)、
こっちにはたいした意味はないのではないかなとえっ、ずぼし?
だからね、「虚無」はあほ(おいら)にはわからないけれど、「天帝」は賢くても
わからないんじゃないかって。ひゃふ!


ええい、疲れた!皆さん、ゆきあや↑ついに壊れたわけじゃないです。本書をちょっとでも
立ち読みして下さればゆきあやの怪しい言動の元ネタが伝わるかと^^;;
普通に書くです。。


文章は良いのではないかと思う。。作品としては置いといて、もしコレを例えば自分の
友達とか身内が書いたとしたら、その才能に敬服しますよ。常人には出来ないものを書き切った事は
確かだもの。アリバイ表のタイトルとか面白いですし、ラスト近くで主人公の能力で
「え、ええっ!?」と驚いた一幕もありました。随分サラッと書かれていたのも印象的だし。
これでトリックやアリバイ崩しが画期的なものであれば、好みの問題で済んだ話なのになあ。。




でもね。
思いっきり文句言いたい。
たいりょうさん、お気づきになられましたか?この作品、横溝正史の○○○のネタバレを
やっちゃってませんか?お手元にありましたら(ないか^^;)、782ページを。


そして、残念な残念な残念なラスト100ページ。。あああ。。これがなかったら、少しは
援護してあげようと思っていたのに。。台無し。。。設定を生かしているとフォローするには
あまりにもヒドい。。頑張ったね、としか掛ける言葉がないってどうなの。
自信あったのかなあ。。。なんか、有栖川さんの絶賛を読むと「身内受け、しかも作家受け」
で盛り上がってるような、そんなイタい場面を想像してしまいますことよ。。



んで、点数迷ったのだけど。。これでも、メフィスト賞の中では下から5番目なんだよね。