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EDGE  (ねこ2.7匹)

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とみなが貴和著。講談社文庫。


私には犯人が見えるーー。世紀末の東京、レインボーブリッジや都庁など超高層建造物だけを狙った
連続爆破犯人「黄昏の爆弾魔=ラグナロク・ボマー」が、世間を震撼させていた。捜査に行き詰まった
警察は、若き美貌の天才心理捜査官・大滝錬摩に協力を依頼する。(裏表紙引用)





この講談社ホワイトハートから格上げされたシリーズ、巷でめちゃくちゃ人気らしいですね。
って、いつの話だ。はい、もう全5話で完結してるんですよ。今さらですいません。


ちょっと、自分向きではなかったですかね。。
プロファイリングものというのが苦手だと言うのに輪をかけて超能力者ものというおまけつき。
超能力がストーリーに重要な影響を与えているので良いのですが、
高層ビル爆破というのがそもそも興味をそそらなくて。ちょっと、展開といいネタといい、
全体的に古いかな、と。。プロファイラーという設定にした必然性もあまり感じなかったですし。。

要は、憂いを秘めた美貌の主人公と、悲劇の青年との心の疎通、いわゆる成長物語なんですよね。
それなら納得がいくかも。なんだか全巻通して、壮大な伏線を張っているらしいです。
そういうのに弱いのですよおいらは。



ただ、やっぱり好みでないのははっきりしているのはたしか。
それでも、これだけの人気作ですから
ファンの気持ちや作品の良さをちょっとでも理解しなければ、、と思って熟読した最後の解説。

凄くわたくしの反感を買いました。


こんな作品で賞を獲った、話題になった、そして物語の肝心な所は作者のインタビュー等から
引用し、「リアル」「深みがある」という言葉ばかりで要領を得ない。
講談社ノベルスで発行されてもまるで違和感がない。『薬屋探偵妖綺談』と比べても
ライトノベル度は低め」
…………。
この二つに表紙が萌え系である以外のどんな違いがあるというのだ。
市場に出た後の需要の違いはあくまで外面で、キャラクター造詣ではどちらが勝るとも
誰にも言えないのでは。そもそも、こういったジャンル分けによってしか作品の価値を表現
出来ないのであれば、とみなが氏ご本人も格上げの甲斐がないだろう。
これなら、素人さんの書いた「泣けました!」「面白かった!二人はこれからどうなるの!?」
といったかわいい文章の方がよっぽど熱意が伝わって来るよ。