すべてが猫になる

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灰色のダイエットコカコーラ  (ねこ3.7匹)

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佐藤友哉著。講談社


「覇王」として君臨した祖父の高みに至るべく、「特別な自分」を信じ続けようとする「僕」。
北海道の片隅で炸裂する孤独な野望の行き着く先は、「肉のカタマリ」として生きる平凡な人生か、
それとも支配者として超越する「覇王」の座か?(あらすじ引用)



よっしゃ一番乗り!!!(たいりょうさんと二人だけだが……(ーー;))

梅田で一番品揃えの良いA屋書店に入ると、なんと佐藤さんと島本さん直筆による
サインとポップが……!しかも、お二人の著作が仲良く並んでいて、佐藤さんが
島本さんの本を、島本さんが佐藤さんの本を紹介し合っているではありませんか。
照れ照れ。。しかしあんま佐藤さん字が綺麗じゃないね^^;
じゃあおいらは『買え! 三津田信三』と書いたポップを持って「首無」の上に置きに来ようか。。



珍しく無難な点をつけた。
内容的には期待通り絶対に誰にも薦められないが。だって、帯に書いてる文句、これですよ。
『家族を笑え。恋人を捨てろ。社会人を見下せ。』
間違っても、まともな神経を持ったOLさんが「わー、面白そう」なんてうっかり買ってしまわない
配慮なのか。だって、装丁は立派だし一見お洒落だもん。


元々、才能はあるんだよ。あまりにもデビュー当時の作品が奇天烈だったから
根底が見えなかっただけで、それを自分は将来性だと思っていたのだ。
あの頃は十代だったし、本書に触れると「いつまで同じテーマやってるんだ」と
思えなくもないけど、先日出版されてなぜか賞も獲った「バックベアード」も本書も
それほど佐藤さんの下地である「情熱、衝動」という点では変わっていない。
どちらを先に書いたかはともかく、前作では「幼児性」もかいま見れた要素が
この作品とセットで読んでみると立派に独自のスタンスとして成り立っているじゃないの。

真面目すぎて打たれ弱い。だけど這い上がって来る。それが佐藤さんの作品に共通する
魅力じゃないかな。
考え過ぎ?ただのグロで奇を衒った、一つのジャンル?
だけど、「文章の稚拙さや表現力の幼稚さは経験不足や年齢から来るものであって、本質でない」
というのは真理をついてる気もするのだけど。
どこで読んだんだったか。。

あ、この本だった^^;