すべてが猫になる

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首無の如き祟るもの  (ねこ5匹)

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三津田信三著。原書房ミステリーリーグ。


奥多摩に代々続く秘守家の「婚舎の集い」。23歳になった当主の長男・長寿郎が、3人の花嫁候補の
なかからひとりを選ぶ儀式である。その儀式の最中、候補のひとりが首無し死体で発見された。犯人は
現場から消えた長寿郎なのか?しかし逃げた形跡はどこにも見つからない。一族の跡目争いもからんで
混乱が続くなか、そこへ第2、第3の犠牲者が、いずれも首無し死体で見つかる。古く伝わる淡首様の
祟りなのか、それとも10年前に井戸に打ち棄てられて死んでいた長寿郎の双子の妹の怨念なのかーー。
(あらすじ引用)



ふんぎゃーーーーーーーーーーーーーーー!!


ふぎゃ!ふぎゃ!!キタ!キました!!


ホラー作家として他とは一線を画す描写力、怪奇譚の凄まじい造詣、その美点を一切殺さずに
ここまで完璧な本格推理小説を描き上げてしまうとは…………!!!!
この作家のいいところが全て表舞台に出て来た上、
ともかく読者に不評であった「長~い蘊蓄をだらだら描いちゃうクセ」「読みづらさ」が見事に
払拭されている……!!

ここまでだと普通に「横溝正史チルドレン」という印象だが、この作品はさらにその完璧な論理を
最終章でことごとくこれでもかこれでもかと覆し、怪奇文学と本格推理を芸術の域にまで
高めてしまった!!
人間ドラマなんてない。登場人物に深みもない(反論はしばし待て)。論理の為の動機、
論理のための行動、論理のための発言。それらの全てが最後に繋がる、伏線のドラマだ!!



実は、中盤まではひとことふたこと物申すつもりだったんだけど。なんか最後まで読んだら
そんなこたどうでも良すぎる。。。だから完璧な「小説」かどうかは断言出来ないし、
万人受けするとも思えない。私達ミステリおたくは本屋大賞芥川賞も無縁だけれど、
こういう作品に感動出来るんだから面白いんだよね^^
これからも白い目で見て下さい、ナハハハv(^^)v

と言う訳でぇ、姉貴の☆二つ、たいりょうさんの5.0点、師匠の「うひょひょひょひょ」に
新たにウチのねこ5匹が加わりました。誰ですか、まだ買ってないのは?ん?