すべてが猫になる

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白兎が歌った蜃気楼 (ねこ3.6匹)

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高里椎奈著。講談社文庫。

家に取り憑いた何かを祓う依頼を受け、座木をにわか霊媒師にして現地へ向かった薬屋探偵たち。
セキュリティシステムに守られた山中の大邸宅には不穏な空気が満ちており、涸れ井戸の出火を
口火として一族に続々と容赦ない殺意が襲いかかる。凶行の犯人は本当に”座敷童子”なのか?
薬屋探偵妖綺談シリーズ第6弾。(裏表紙引用)


出たらその為だけに買いに行く、というぐらい熱心に追いかけているシリーズではあるが、
めちゃくちゃ面白くもないというんだから自分もよくわからない。
読みやすさと、「変な方向へは行かないだろう」というシリーズ物としての安心感、
後は単純なイラスト萌え。
今回は珍しくも大家族の中で起きる陰惨な連続殺人事件を扱っている。
冒頭の見取り図なんてまるで横溝さんだ。霊媒と最新の防犯設備、というアンバランスさが
現代らしくていい。……いやいや、主人公は妖怪だった。すいません。

本書のツボは何と行っても、完璧美男子・座木が「裁縫が苦手だった」という
一点に尽きる。待ち針を失くした時の慌てっぷりがなんともベリベリキュート。
テーマそのものは重たく、「人がなぜ人を殺してはいけないのか」という
主旨に沿っているのだが結局私は「今回の萌えポイントは!」を必死で探す、
所詮それだけの読者に終始する。
自分の読み方がマズいわけではなかろう。
リベザルが可愛過ぎるのも、秋がセクシーなのもそれがすべて悪い。