すべてが猫になる

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すべてがFになる/The Perfect Insider  (ねこ4.5匹)

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森博嗣著。講談社文庫。

孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季
彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を
訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。
(裏表紙引用)


(18.10.16 再々再読書き直し)

森シリーズの記念すべき第一作。

15年前に両親を殺害したとされ無罪となるも妃真加島の研究所に監禁されている天才・真賀田四季。ゼミ旅行と称して萌絵と犀川は孤島へ向かう。しかし研究所に潜り込むも真賀田四季の部屋で殺人事件が発生。ワゴンに乗せられウエディングドレスを着せられた死体には両手両足がなかった。続いてヘリで屋上へやって来た所長も目を離した隙に何者かに刺殺され――。

典型的な孤島の密室もの。第一作はしっかりとミステリしていたことに驚く。不可解な動機、洗練された理系世界、今までにないスタイリッシュで無機質な世界観と合理的で個性的な文体の登場はこれまでの推理小説の概念をガラリと変えた。容疑者も関係者も全てパソコンで会話され、すべての登場人物も読者も天才に及ばないという烙印を捺される。その快感に取り込まれてしまったら何年も森博嗣の手のひらの上で踊らされるハメになるんだなあ。。



自分用覚え書き↓ネタバレ。



真賀田四季 登場した妹の未来の正体は四季。生まれてすぐ死んだ双子の兄がいる。実の叔父と姦通し14歳で妊娠、出産。天才ではなかった娘(仮名・ミチル)は15歳になるが自分の両親を殺すことができず、四季は娘を殺す。3年前から娘と入れ替わっていた。四季の両親を殺したのは叔父である。
未来のフリをして逃亡。

F=フィフティー