東野圭吾著。講談社文庫。
高校３年生で野球部のキャプテンをつとめる西原荘一の同級生・宮前由希子が交通事故で
亡くなった。由希子は荘一の子供を妊娠していたらしい。由希子に対する気持ちへの
罪悪感から償いの意味も込めて事故の真相を暴こうとする荘一だが、ある日女教師の
御崎が校内で他殺体で発見された。そして荘一が容疑者に！
はーい、本日の東野さん。学園ミステリーです。まだ読んでませんが、デビュー作の「放課後」に
次ぐ二番目の学園モノという事で。
結構普通だな、と思って読んでいたら最後にやられてしまいました。うさんくさい奴だな、とは
思っていたけれどまさかこういう事だったとは。普段ミステリーばっか読んでて疑い深いはずなのに
「何バカな事言ってんの～、この刑事さん。あははー」とかいつまでも思ってましたから＾＾；
トリックは実はなんてことないというか、無理だろおい、と思ってしまいましたが
まあそれ以外の要素が楽しめる作品なので良し。この主人公の人格設定が上手過ぎる。
恋人を失って悲嘆にくれ、正義感と愛情の強さを原動力に事件捜査に踏み切る、という
型に嵌まった人間じゃないのがさすが。こういうアプローチもアリなんだ。。
しかしその割にその他の人物像はちょっといただけない。あとがきに東野さんが
書かれているように、著者は学生時代教師が大嫌いだったとか。そういうことを
「思い出しながら書いた」らそりゃこういう凄い教師になるわいな＾＾；；
主人公のある同級生の女性も犠牲的精神強過ぎ、ここまで尽くされると
普通引かないかな。。
でも最後の１行がかっちょいいので許す。
