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むかし僕が死んだ家 (ねこ4.5匹)

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東野圭吾著。講談社文庫。

7年前に別れた恋人・沙也加と再会した私は、彼女の頼みで「幻の家」を訪れる事になった。
彼女には小学生以前の記憶が全くないのだと言う。亡くなった彼女の父がその家と何らかの
関係があるのだろうか。英国調の白い家で二人を待ち受けていたものは。。。


うほーなんだこの知られざる名作はー!!
え、知らないのは自分だけ?^^;でも東野さんの傑作と言えば「白夜行」「秘密」「容疑者X~」
等々が一般知識として刷り込まれているものだから突然こういうものに当たると得した気分。
著作が多過ぎるものだから、好みもそりゃあちこちに分散しちゃうのかしら。

登場人物がたった二人、場所も「白い家」から動かずに家にある手がかりから
真相に到達して行く、という面白い手法。実際には日記などから色々な人物が
登場しややこしくなって行くのですが。
伏線があちこちに素晴らしい計算のもと配置されていて、最後に真相が判明するあたりでは
びっくり通り越して感涙です。沙也加の人となり、背景も深みがありますね。虐待という
重いテーマを謎解きだけに活用せず、壁を乗り越えられるかどうかという1人の人間の
大きな分岐点、課題として展開して行くこのドラマ性。さすが東野さんです。

何よりラストがいい。(ここ重要)
現時点での東野さん好きベスト第2位に躍り出ました(*^^*)v