すべてが猫になる

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探偵はバーにいる (ねこ3.7匹)

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東直己著。ハヤカワ文庫。

札幌の歓楽街ススキノで便利屋をなりわりにする<俺>は、いつものようにバーの扉をあけたが……
今夜待っていたのは大学の後輩。同棲している彼女が戻ってこないという。どうせ大したことあるまい
と思いながら引き受けた相談事は、いつのまにか怪しげな殺人事件に発展して……ヤクザに脅されても
見栄をはり、女に騙されても愛想は忘れない。真相を求め<俺>は街を走り回る。(裏表紙引用)


近日書庫作りますv だいぶお気に入り。本書で確定。

冴姉貴にご指導いただき、「若い頃の俺」であるシリーズ第1弾を読む。
ふむ、28歳か……(笑)。もっと若くても良かったのだけど。十分雰囲気からして老けている俺。
落ち着きがあるとも言う。あまり印象は「ライト・グッドバイ」と変わらず。
あの本に出て来た「俺」の仲間達も続々出て来ているのだけど、シリーズ中事件を通して
「知り合う」形ではなかったから、あのおでん屋さんに「あれ?たしか。。」と思ったぐらいで
普通に「よぅ、久しぶりぃ」という感覚でキャラに入れたのは良かった。

そしてまさか殺人事件が起こるとは思わなかった^^;。
と、いうような雰囲気、まさにライトなハードボイルド。自分はハードボイルドとはかくあるべき、とか
語る器ではないのでなんとなくライトだな、というのはわかる、とかその程度の感覚。
謎もほどよく面白いのだけど、最後に結構いい人生訓示みたいなものをキャラに語らせていて
それが自分的には盛り上がった。この作家さんのお話、必ず「アイタタ」な人物が1人
出て来るのかな?いやあ、今回もイタかった、あの女性。。

まあそんなこんなでこのシリーズ(作家?)の魅力とは文体ですわな。
年代の古さも雰囲気作ってますわな。「俺」の妄想や哲学?が洒落ていて愉快で笑う笑う。
ユーモア小説とかお笑い小説は苦手なんだけど、こういうのは自分的にストライク。
この笑いは腰砕けじゃなくて「カッコいい」って言うのだv
ちなみに現時点で「俺」には惚れてません。