すべてが猫になる

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月長石/The Moonstone (ねこ3.6匹)

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ウィルキー・コリンズ著。創元推理文庫

インド寺院の秘宝、黄色のダイヤといわれる月長石は、数奇な運命の果て、イギリスに渡ってきた。
しかし、その行くところ常に不気味なインド人の影がつきまとっている。そしてある晩、秘宝は
持ち主ヴェリンダー家から忽然と消失してしまった。警視庁の懸命の捜査も空しく、月長石のゆくえは
杳として知れなかった。この怪事件と取りくんだカッフ部長刑事の慧眼は、はたしてなにを見出すか?
物語的興味と論理的推理が渾然一体となった推理小説史上不朽の名編!(裏表紙ほとんど引用)


あー疲れた。ひー疲れた。1日1冊更新が唯一の自慢であるゆきあやが4日もかかりましたよ!
別につまらなかったわけじゃなく(それなら挫折している)、800ページもあるからです。。。
ふふふ、さすが世界最長編ミステリ。。字も小さくてびっしりだぜーーーー!
しかも図書館の本だからぼろぼろだぜー!元の色がわからないくらい真っ茶色に変色、しかも
字も薄れて来て読みづらいったらありゃしない。しかも読んでたら707ページ目が外れて
ひらひらと床に落下したぜ!(自分のせいか?いや違う、でもごめんなさい)
さすが1971年発行もの。(初版は1962年だと)年季が入っている。。。
そしてここが時代を感じさせるのだが、「手書き」で『玉本氏寄贈』の刻印。。(ーー;)
う~ん、しかも誰の手によるものかわからないが公共の本に赤ボールペンで至るところに
訳としておかしい所に経線を引き正しい言葉を横に書き加えている!しかも10ページ
おきぐらいに!!落書きするのはやめておくれよ。。(落書きだろう!)
誰だこんな事したのは!みんなで読む本だぞ!(はっっ!!!玉本氏か!?)


まあそれはさておき。
今読んで「おお、これは確かに名作!!」と興奮する可能性が低いのが古典といふもの。
この時代を鑑みて、、、と感心する事は出来ても、素(ス)で驚けるかというとそれは
望み薄。最終的に物的証拠なので良いのだけど、「ある人物がそれをしなかった証拠」は
この方法では今なら通用しまいし(逆に「した証拠」も出ないので良いのだけど)。

だけど物語として読むにはかなり良し。
老執事のベタレッジが事件を回顧し語り手となる章がのっけからあるのだが、
彼はかなりの『ロビンソン・クルーソー』マニアで人生の教訓はほとんどこの本から
学び生かしているのだ。それがもう面白くてたまらない。この章だけでもなかなか上質な
文学として完成されていて、自分などは彼がいるかいないかで本書の印象は大きく変わったと思う。
他のメインの登場人物もなかなかにそれぞれ個性的だったし、ロマンスありのハラハラありの。

でもさっき読み終わった生の感想としてはとにかく読み終わってばんざーい。である。
これの後は「ボートの三人男」を読んで本命の「犬は勘定に入れません」を読むのさ~(*^^*)
(3冊繋がっているのよ。。)