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亡霊は夜歩く (ねこ3.6匹)

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はやみねかおる著。講談社文庫。

<名探偵夢水清志郎事件ノート>シリーズ第2弾。
亜衣たち三つ子の通う虹北学園には、不気味な伝説がある。『時計塔の鐘が鳴ると、人が死ぬ』。
学園祭を前にして突然鳴りだした鐘。亜衣は「亡霊(ゴースト)」と名乗る者からメッセージを
受けとる。校庭には魔法円が描かれ、空から机が降る……。それなのに名探偵・夢水”教授”と
きたら、福引大当たりの温泉旅行に行くなんて!?(裏表紙引用)


「小学校高学年から」の青い鳥文庫も、講談社文庫から発行されたというだけで
三十路の女でもこんなに買いやすい。表紙が可愛いが気にしない。高里椎奈舞城王太郎
間に挟んで堂々とレジへ。(え、どれもやばい?^^;)「カバーどうされますか?」の
店員さんの言葉に「あ、これ(はやみね本)だけお願いします(すぐ読むからね)。」と
言ってりゃ結局は一緒である。

……と言う事で、コンスタントに文庫化されて嬉しいこのシリーズ。1作目が相当良かったので
期待に胸は膨らむばかり。電車の中で全部読めたぞ。ここまでしかタイトル知らないが、
『そして五人がいなくなる』『亡霊は夜歩く』など既存のミステリーの名作をパロっているのも
うきうきする。そして読み始めたらなんとゆきあやが先日読んだ『火星人ゴーホーム』を
教授が読んでいるではないかー!(やっぱり有名な本だったんだね^^;;)

前作よりは少し落ちたかな?という印象だったけれど、特に不満はない。
トリックは子供向けに易しい。だけど、「大トリック」と物語の随所に挟まれる「小粒の謎解き」が
物語の全体のバランスを良くしていて飽きずに楽しめる。(まあ300ページで飽きるはないか)
今回は亜衣ちゃんと新キャラのレーチ君とのロマンスが……!!イラストだけ見ると
金田一少年みたいだがこの彼がなんともいい味を出して、物語にある重いテーマを
救ってくれているかも。教授もなんだか真面目な一面がかいま見れたし、なんだか
悲しいお話でもある。自分も校則に疑問を持って反発した時期があったな。
この本を書いている時は現役の先生であったはやみねさんのメッセージは
子供の為の言葉でありながら大人に向けられた真摯なものなので流さずに読みましょう。