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骸の爪 (ねこ3.7匹)

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道尾秀介著。幻冬舎

滋賀県山中にある仏所・瑞祥房に取材で訪れた道尾は、泊まった宿坊で奇妙な体験をする。千手観音が
笑い、仏像が頭から血を流したのだ。数日後、1人の仏師が神隠しのごとく失踪。道尾は
真備と凛に相談を持ちかけ、二人を連れて瑞祥房へ舞い戻った。調査を開始した道尾らは、
仏所には20年前からの失踪事件が発生している事を暴くがーーー。
シリーズ第2弾。


あれ?想像していたより面白かったですよ。。
仏像に対して自分が何らかの恐怖心を持っているからでしょうか。後半以降は普通に怖かった。
何よりも、きちんとミステリーとして完成しているじゃないか、と(何様)
安心したというのが正しい。トリックの真相がいちいちワンパターン気味に感じたのは
しょうがない、文章力もここ数日優秀なものを読んで来ているから余計に「あちゃー^^;」と
思ってしまうのも別に堪えられない程ではない。探偵役として真備の存在は必要ない気もするが
彼に個性が乏しい分(設定してはいるけれど。色々と。。)、彼にまつわるエピソードを今後
もっと増やしていけばまだ希望はある。…………って、けなしたいのか!!いやいや(ーー;)、
普通に面白かったんですってば。

これだけ詰め込んでしまったのでラストが論理的に怒濤の説明文ラッシュになってしまうと
興を殺ぐのだけど、雰囲気が抑えめだったからそれほどの落差も感じない。
だからって、「続編を読みたい!」と思っているか?と言うとそうでもないのだが。。^^;
こういう本にはなんとなく便利な3.7匹を捧ぐ。