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厭魅の如き憑くもの (ねこ4.1匹)

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三津田信三著。原書房ミステリーリーグ。

憑き物筋の「黒の家」と「白の家」の対立、「神隠しに遭った」ように消える子供たち、生霊を見て
憑かれたと病む少女、厭魅が出たと噂する村人たち、死んだ姉が還って来たと怯える妹、忌み山を
侵し恐怖の体験をした少年、得体の知れない何かに尾けられる巫女ーー。そして「僕」が遭遇した、
恐るべき怪死を遂げてゆく人々と謎の数々……。(あらすじ引用)
2007年「本格ミステリベスト10」第3位作品。


怖いよ~~~~~ぅ。怖かったよ~~~~~ぅ(T_T)。
どうしてくれるんですよ、今日寝れないじゃないですか。。
設定と雰囲気だけでも怖いのに、次々出て来る怪奇譚が妙にリアル、実際どれぐらい自分が
びびっていたかと言うと!
例の前を歩く少女が後ろ向きに……というくだりをびびりつつ読んでいたまさにその時ですよ、
自分の背後の本棚の上で寝ていたであろうねこ3号(でぶ)が突然

『ズザザザザザザザザザザ!ドテ!!!!!』とすさまじい音で落下し、おもわず

『ワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!』と叫んでしまったですよ。。。
おおお、ど、動悸が。。。(ーー;)


ま、まあ^^;それはともかくとして、期待以上に面白い事をしてくれていた作品でしたね。
プロローグやら何やらで「な、何かあるぞ」と身構えていたのはいいけれど、
まあこんなんわかるわけないと言えばそうなんですが、、もう発想だけで笑ってしまいましたよ。
人物の名前がややこしいので大変でしたが、まあ私あんま謎を解く気ありませんからね。(えばるな)
いつものように右薬指を家系図に挟んでなんとか頭に叩き込む。でも読み終わって、実際
あんなに頑張って覚える必要なかったと脱力(ーー;)その労力を伏線探しに使うべきだったか。。

憑き物筋という家系は私には斬新でしたし、家系に伝わるあの飲料とかもよく思いついたな、と
感心しつつ、一方ではこの古くさい時代遅れの風習に眉をしかめる人々も登場していて
舞台づくりは芸術の域だと思いました。ああ、こういうの大好きさー(*^^*) ← 変態

これ、あっちのランキングの(このミス)『シャドウ』より上に入ってもええんでないかい?
とは私の好みとしても^^;、でもやっぱり「これ面白かった?」と聞いて「あんまり。。」と
言われれば「……だよね。。」と思うし「最高!うまいなあこれ」と言われれば
「そうでしょう、そうでしょう」と抱きつきたくなる独特の1冊ではありました。