すべてが猫になる

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背の眼 (ねこ3.1匹)

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道尾秀介著。幻冬舎ノベルス。

売れないホラー作家の道尾は、旅先の白峠村の河原で不気味な声を聞いた。恐れるあまり東京に
逃げ帰った道尾は友人の真備が経営する「霊現象探求所」を訪ね、事の経緯を真備に説明、
真相解明を依頼する形となった。真備、その助手の北見と共に再び白峠村へ向かった道尾だが、
そこで判明したのは未解決の児童連続失踪事件と村に伝わる「天狗伝説」だったーー。


すっかり道尾ブーム邁進中のわたくし。今回はデビュー作、しかもホラーに挑戦。
結構長かったので(無駄にな。。)ちょっとお疲れ気味。色々な前情報を元に
感想をまとめてみる。

1 京極夏彦の影響を受けていると言われればそんな気がする。真備が京極堂ぽいって事?
  でも、そんな事を全く聞かずに読んでいたら文章や世界観にその特色があるとは思わなかったと
  自分は思う。。そもそも時代設定が違う。相原大輔という作家は皆様ご存知だろうか。。。

2 ホラーなのに怖くない。文章は悪くないと思うが(むしろ好きかも)、かと言って
  特徴はない。でもデビュー作だし先に凄い作品を読んでるから許す。

3 特別論理的におかしい点は見当たらなかったがこれを「シャドウ」「向日葵~」を描いた
  作家だと思うとかなり肩すかし。

4 ラストがくどい。さっさと終わらせた方が余韻は残る。感動させようと頑張った感じが。
  詰め込み過ぎたね。

5 やっぱり京極夏彦と比べてみよう。あのシーン一つ、蘊蓄一つとっても大御所との
  圧倒的なレベルの差を感じる。つまりは説得力と迫力が希薄なのね。


どうも自分が書くと悪口みたいになるがつまらなかった訳ではない。(それは大抵いつもそうなのよ)
あと1冊になってしまったがどんどん読んで行くつもり。
ただ、本書に関しては「いつか何かをしでかしそうな」要素は感じなかったし、
こっちの系統が合ってないような気もしなくもない。そこはデビュー作だからなんとも言えない。

そしてひとこと。道尾さん、年下かよ!!