すべてが猫になる

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シャドウ (ねこ3.8匹)

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道尾秀介著。東京創元社ミステリ・フロンティア

小学5年生の凰介の母が病気で急逝した。父・洋一郎と二人だけの新しい生活が始まる。そんな中、
同級生の亜紀の母が、亜紀の父の勤め先のビルから飛び降り自殺をしてしまう。そして亜紀も
交通事故に。凰介は苦悩し、ある真実を突き止めるーー。


どこの本屋に行っても置いてなかった本書。今の時期にネット注文してもいつ受け取れるか
わからない。という事で行って来ました。おいらが「大阪最強の本屋」と称賛する難波の
ジュン○堂。ははは、ありましたよ!表紙がこちらを向いて私を呼んでいましたよ!
「背の眼」も憧れの踏み台を使いましたがなんとか見つけましたよ!
(まあその「最強の本屋」に『骸の爪』はなかったのだが。。。)

と言う事で早速読む。2時間で読む。期待値が高かっただけに、やっぱり面白かったなあ~~。
『向日葵~』で感じた文章の入りにくさが見事になくなっている。『向日葵~』で
雰囲気の特徴はそれほど感じなかった、と書いたが本書と比べるとやはりあれは独特だった、と
いうのが明らか。そういえば、アレも子供が主人公だったか。
方向性が近いという情報を参考にしつつ、アレとは全く別物のような気がする。2冊目で
語るのも何だが、アレはもしかして「異色」なのではないか。。という思いが頭をよぎった。
ミステリとしての技巧はどちらがどう、とか言いにくいが好みだけで語れば私は
『向日葵~』の方が圧倒的に好きだ。粗があろうと何だろうと、なんてことをしてくれてるねん、
という衝撃や単純な作風の嗜好が嵌まるものの方を私はいつも支持してしまう。
そういう不確かなものの中にある作者の底力がどうしても怖くてそれでいて近づきたくなる。

本書の話をしろよ、と思うのだが、実は私、あまり驚かなかったのですよこれ。。。
テクニックの凄さはもちろん認めるところなんですが、
「もう終わりそうだけど一体いつ騙されるのかしら。。。あれ、終わった!?」という
とんでもなく罰当たりな読み方をしてしまい。。
すいませんすいませんすいませーん!!!!!!
いいとこ全然読み切れませんでしたーー!!!