すべてが猫になる

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あなたに不利な証拠として/Anything You Say Can and Will Be Used Against You (ねこ3.1匹)

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ローリー・リン・ドラモンド著。ハヤカワ・ミステリ。

警官を志望する若きキャシーがマージョリーと出会ったとき、彼女の胸にはステーキナイフが深々と
突き刺さっていた。何者かが彼女を刺し、レイプしたのだ。怯え、傷ついた彼女を慰めるキャシー。
だが捜査を担当したロビロ刑事は、事件を彼女の自作自演と断じる。マージョリーに友情めいた
気持ちを抱いていたキャシーだったが、どうすることも出来なかった。それから六年後、キャシーと
マージョリー、そしてロビロの運命が再び交わるまでは……。男性社会の警察機構で生きる女性たちを
描く10編収録の短編集。(裏表紙ほとんど引用)
アメリカ探偵作家クラブ賞受賞。
2006年「このミステリーがすごい」海外部門第1位作品。


ミステリーじゃない、と言い切っていいですか?これ。
いわゆる謎解きを主流とした、どころか謎解き自体がない作風。
別にそれが減点対象にはならない。本当にこれ、自分には合わなかった。
「これの良さ、面白さがわからない自分にウケる」というぐらいの(^^;)。。

警察官という職業を選んだたくましく時には弱い5人の女性達。
彼女達が遭遇する痛ましい事件、残虐な手口、死体の匂い、時には彼女達自身が経験する
衝撃的な運命。ここに描かれたそれはいずれも非常にリアルで生々しい。彼女達が
制服を着た時、脱いだ時、それでも彼女達は哀しい程に警察官であり、1人の人間なのだ。
時には目を背けたくなる記述もあったがそれでも読みやすく、流れるようにそれぞれの
人格、人生に入り込んで行ける。相当の手腕であることがわかる。
でも、だからこそ「求めていたものとの違い」に愕然とする。これは完全に自分に
こういうものを受け入れる下地がないのが原因であって出来不出来は関係ないのだが、
これのどこに面白さや小説としての機微があるのか、腹蔵なく心の底から疑問なのだ。
「感動、衝撃」などという賛辞を聞けばなおさらだ。どうやらそう思えないのは
自分だけのようだが^^;。
私にはすべてが結末のない文章の良く出来た「記録」だった。
(あえて良いと思えたのはやはり「傷跡」。これは物語として理解しやすかったかと。)


beckさん、許して。。。
こりゃ恐れていた通り、ゆきあやには恐ろしい程合わない作品でした。。笑ってくれ。。。
一応「読んだよー」という事で(^^;)v