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東の海神 西の滄海 (ねこ3.8匹)

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小野不由美著。講談社文庫。

廃墟と化した雁国の復興に励む延王・尚隆と延麒。幼い頃に出会った更夜の来訪になつかしさで一杯の
延麒は、実は仕組まれた罠であることを疑いもしなかった。争いごとや殺傷を忌み嫌う麒麟を人質に
とられ、雁国は怒濤の騒乱にまきこまれてゆくがーー。(裏表紙引用)
十二国記シリーズ第3弾。


このシリーズに面白くないという言葉はないのか!
出ましたよ、この人が尚隆ですか!(「十二国記占い」によるとゆきあやはこの人らしい)
占いでは「自由奔放」などという無理矢理いい感じにしてみました、的な褒め言葉で迎えられましたが
いやはや、前代未聞の暴走無気力毒舌破天荒キャラじゃないですか。。
と、最初「おいらコレかよ~~~^^;」と落ち込みましたが、ふふふのふ。
実は尚隆、お芝居なら一番やりたくなる役柄、いわゆるおいしいキャラだったのです。
最初に最悪なとこ見せられてるもんだから、彼の真意や人柄が分かって来るにつれて
「こいつええ奴やんか~~~~」と身悶えしてしまう、最後にいいとこ全部かっさらう
最高のイケメンとして心に残って行くのですわね。
いや~~、ゆきあやコレかぁ~~~^^vやった~~~(*^^*)v

ストーリーはやはりどこか登場人物が哀しげで、人やそうでないものと交わる事によって
力にして行くタイプの前向きで深みのある、奥行きを感じさせるものでした。
人物の一人一人がちゃんと出来ている上に設定が完成されているため、響くものが大きいんでしょう。
好みとしては、前作「風の海 迷宮の岸」の方が夢中になれた分上なのですが、
なかなかどうして本作も素晴らしい。

出来ればこれまでの登場人物が総出演したものが読みたいのだけど。。小野さーん。