すべてが猫になる

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火星人ゴーホーム/Martians, Go Home (ねこ3.9匹)

フレドリック・ブラウン著。ハヤカワ文庫。

1964年、人口30億を誇る地球に、10億もの火星人が大挙してやって来た。彼らは緑色で
指が6本で意地悪でテレポートが可能で嫌らしくて下品で物体を透視出来てうるさくて
不気味で政治が嫌いで地球人を困らせるのが大好き。地球は大混乱。彼らの目的は!?


画像が拾えないぞー。。。そんなに古いのかーこの本。。買った本の表紙がまるで
キラー・Xみたいで面白いから披露したかったのに残念だ。(またそんなわかる人の少ないネタを)

と、言う事で初めてのフレドリック・ブラウンがこれ。(いいのか^^;)月野さんに是非にと
オススメいただいた本なんですが、いやー、さすがお付き合い短いのにゆきあやの好みを
よくわかってらっしゃいますねー(笑)。実はいそいそと検索したら、以前からわたくしが
欲しがっていた「さあ、気ちがいになりなさい」の人だったもんでびっくりしたんです。はい。
高いから腰が引けていたけれどこれでやっと買う決心がつきましたよ。(ていうかもう届いてる)
で、なぜ本書の感想になかなか移らずうだうだ書いているかと言うと、会社にこの本
置いて来ちゃったもんで内容を今必死で思い出しているという。。。いや、覚えてはいるけれど
登場人物の名前が思い出せないという低たらく。

やっと感想、もう名前は諦めた↓

SF=火星人、というのは定番すぎて(一昔前の?)逆にSFに免疫のないゆきあやにはかえって
ちょうどいいのではないかと。しかも、書かれたのが1955年で設定が1964年だから
「火星に生物はいないんだよー」と言いたいが(知らんが)この本ではどうやらいるらしい。
しかも、3人に1人は火星人らしい。。。自分の職種ならばこういう事態でも影響ないような
あるような気がしなくもないが、本書では失業者が続出し、経営が成り立つのは
精神科医、酒場ぐらいのもんだと言うからこれまた哀れなり。しかも一番人類にとって
大切な子孫作り、すなわち夜の営みが困難だと言うからこりゃ悲惨。なんでもかんでも
透視されて耳元で罵詈雑言を吐かれるわ嘘は見破られるわで、もう地球は滅茶苦茶、大混乱。
想像力もここまで行くと行き着くとこまで行くんだなあ、と面白いを通り越して出るのは
感心の溜息ばかり。
まさかこのままスラップスティック一辺倒で終わるんじゃないだろうな。。と思いきや
そう思う前に1人の男性にスポットを当てて事態は面白い方向に。そして世界は。。。

こう来るか。こう来たのか。風刺を取り入れて人類に問題提起、というのは大げさか
一つの解釈か。火星人が現れたと思って、「嘘をつかず品行方正に真面目に真実を見つめて」
生きて行くのもまた辛いのが人間だと思うが。。こりゃ厳しいな。

そんなこんなで大変面白く素晴らしい本でございました。
ただ、あとがきの「作者からのアンサー」はなくても良かったと思うぞえ。