すべてが猫になる

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メルキオールの惨劇 (ねこ外出中)

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平山夢明著。ハルキ・ホラー文庫。

人の不幸をコレクションする男の依頼を受けた「俺」は、自分の子供の首を切断した女の調査に
赴く。懲役を終えて、残された二人の息子と暮らすその女に近づいた「俺」は、その家族の異様さに
目をみはる。いまだに発見されていない子供の頭蓋骨、二人の息子の隠された秘密、メルキオールの
謎……。そこには、もはや後戻りのきかない闇が黒々と口をあけて待っていた。(裏表紙引用)


ぉぉぉぉぉぉ…………………………………。ぐ、グロい………………。
グロいと言っても、残虐系、スプラッター系のグロさではない。(多少あるが)
もっともっと、何て言うんだろう、精神的にグロいのだ。加えて、文章が異様であり不条理であり
破綻しすぎ、物語としての筋はあるにはあるが、いわゆる起承転結の「次どうなる?クライマックスは
どう来る?」構成にはなっていない。この物語の1ページ、1行1行これすべて平山夢明という人の
世界観であり、それを表現するための圧倒的文学だ。

自分は破綻系、倫理観を破壊した鳩尾に決まる文学を好む人間だと思っていた。
今日で撤回したい。無理です。これ、本物ですから。自分の臨界点を越えてました。
明日からは平常通り、浦賀和宏佐藤友哉のユルさに浸らせていただきます。

かと言ってこのナンセンスで哲学的な残虐世界が気に入らなかったかというと
そうでもなく、「二度と読むか!」とは思わないから不思議。
点数だって、4匹でもいいし2.5匹でもいい。(絶対違うのは5匹と2匹以下)
ああ、なんだか理解できない。でも興味はある。
でも読んだらやっぱり気持ち悪い。