すべてが猫になる

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名探偵は密航中 (ねこ3.6匹)

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光文社文庫

「オムニバス・ミステリー」ということで。(この前に「傑作」がつく)
昭和5年7月、豪華客船・箱根丸は横濱港を出港、倫敦へ向かった。出港早々、殺人事件の容疑者が
乗船していることがわかり、大騒動に。その後も、男爵令嬢の逃亡騒ぎ、幽霊船の出現など、奇妙な
事件ばかりが起こり……。(裏表紙引用)


私の敬愛する冴さん(「ポケットにミステリを」)とこで今開催されている「若竹七海投票」。
いざこれに挑まんと、早速(と言いつつもう月末で慌てて読んでいる)未読本を購入。
本書は結構どこでも評判がすこぶる良いのでうきうきと浮かれての挑戦です。

じ、実は他の「課題本」もう1冊読んでしまったので、えーと、本書ちょっと感想書きにくいなあ。
「投票」を意識しているので、「これよりこれ、それよりこれ」と比較してしまうので。
しかしもう自分にとってのベスト1は決定しているも同然で、投票に踏み切ってもいいのだが
念のため「プレゼント」も読ませていただきたい。
と言ってもなあ、、。「アレ」、ウチで4.7匹ですよ?4.7匹。4.7匹といえばもう
クライマーズ・ハイ」とか「異邦の騎士」クラスですよ?つまり2006年ベストミステリ10
候補作って事ですよ。それを越えようなんてあなた、それはまた。。

ええい、うだうだ書いてないで感想書かんかい。うっ、すいません、1日休んだだけで
記事の書き方がわからなくなってますねん^^;ウォーミングアップということでお許しを。

※ネタバレぎりぎり書きます。未読の方は以下読まない方が良いと思います。ご注意。



海外ものみたいな洗練された雰囲気が好き。
1作1作の面白さは普通だったんだけど、この作家さんの遊び心がもっと好き。
電報の挿入とか、だいたいがこういう手法を持って来る小説っぽくないんですよ。
ファンになる前の私の勝手なイメージだったんですが、もっとスタンダードなものを描く方かと
思っていたので。
だからこそ、アノ作品が衝撃だったとも言えるんですよね、私の場合。
しかし、二度目となるとどうか。
「最後に何かああいう仕掛けがあるな」という先入観を持っていたので、そういう姿勢を
持った時点で身構えてしまっていたので、(楽しみではあったのですが)
やはり「衝撃」には至らなかったなあ。
最後の1ページにはずきゅんと来ましたけども。

気に入ったお話は令嬢の脱出劇。こういう女性、パワフルで可愛くて好き。
猫の幽霊のお話も好きかな。

すいません、傑作だとは思うのですが、あまり「何か、感じた事」がなかったもので。
良くも悪くも技巧や文章の良さだけでは筆が進まないタチなんです。。