すべてが猫になる

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彼岸の奴隷 (ねこ4.3匹)

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小川勝己著。角川文庫。

手と首を斬り落とされた女の死体が発見された。捜査一課の蒲生信昭は、所轄の刑事・和泉龍一と
組み、捜査を開始する。だが、被害者の娘、大河内涼を見たとたん、和泉の様子がおかしくなる。
和泉を疑い出した蒲生は、彼の過去を調べるが……。(裏表紙引用)


前知識。
「狂気のクライム・ノベル。グロとエロとバイオレンス、血と暴力の鬼畜小説。」
本書を読むにあたり、「ゆきあやさんなら」「ゆきあやさんが」と意味深な発言を各方面から
いただきましたが、ええ。

あ、この程度なら私平気でした。


…………………………とでも言うと思いましたかーーーー!!!

徐に語られ出した、暴力団若頭・矢木澤の武勇伝。
ひいいいいいいいいいいいい。

ちょっとはみだし者の、ヤクザと癒着のある刑事・和泉の行動。
ぎゃああああああああああああ。

唯一まともだと思っていた、相棒刑事、蒲生の過去。
ひょええええええええええええ。

…………と、終始こんな感じで、しまいにゃ脳みそから湯気が出て再起不能。。
さすがに、さすがの私もへこみました。。。
助かったのは、グロ描写が想像してたよりは頻度が低かった事。その代わりというか、
狂気が全ページに炸裂しています。。

冒頭とあらすじだけで雰囲気を掴む前に、もうこの猟奇殺人事件の真相とか、犯人とか、
捜査の過程とか、そんな事がどうでもいいくらいに吹っ飛ぶこの力。
人物の説明しすぎだとか、真相バラすの早過ぎだとか、そんな当たり前の欠点が
まるで気にならない。この作品の勢いと存在感にそんな事は関係がないとすら思える。

怖いもの見たさなのか?それともこれをリアリティと捉えて目をつぶる事を許さない、
一種の「対岸の火事」的な好奇心を満たす事への快感なのか?

とにかく、好きではないが面白かった。

本作は有害図書指定なのかどうか定かではありませんが、くれぐれも
グロ、理不尽な暴力、過度なセックス描写、狂気などが苦手な方はお気をつけて。。。